序章(Prologue)
今日は4/1(土)、明日の「富士EDカップ」参戦に備えマシンの整備を行っている。
今回ケリーチキンはマギーSEROWでの参戦ではなくつい先日シェイクダウン(諸事情あり)を終えた(?)LANZA及びTT250Rでの参戦だ。
今回は1チームにつきライダー2名までなのでヨシとハマーの極楽(改)がコンビを組んでケリーチキンとして参戦する。
コスは悪鬼と組んで、TT250Rでの参戦となる。
ちなみにチーム名はシスチキンである。
これは、コス、悪鬼共にフォースの暗黒面にどっぷりとつかった腹黒コンビ故に着せられた汚名であることはいうまでもない...(本人たちは光栄らしい)
一通り整備を終えたLANZAは「26」、TT250Rは「27」のゼッケンを付けて明日のレースを待つのみとなった。

ヨシとコスのレースへ向けての期待と不安がいつもの意味の無い会話となって二人を奮い立たせていた。
目標は性懲りもなくクラス優勝らしい...

朝起きて出発!(Wake up and DEPPATSU!)
4/2(日)、AM3:00...コスは起床した。
EDカップは「富士スピードウェイ(FISCO)」にて開催され、当日移動なので早起きする必要があった。
今日の天気が気になるのでテレビを付けてみる。しかし期待していた朝のニュースはまだやって無い
。 そういえばまだ深夜番組の時間帯じゃないか!!ジーザス!!苦笑しつつ、出発の準備にとりかかる。
AM4:00過ぎ、熊五郎と悪鬼がトランポにて迎えにきてくれた。
すかさずチーム統一サイン「Xジャンプ」にて敬意を表す。レースへの期待と不安を語らいながら一次ヨシ邸を目指す。
同時刻ヨシ宅、ヨシ&ハマーのケリチキ組はヨシ宅で熟睡中。ハマーはヨシが北海道にて使用した曰く付き?のエアーマット&寝袋にて睡眠をとる。
プルプルプル…コスからのモーニングコールによってヨシはたたき起こされる。
既に荷物は準備してある。朝一の機嫌の悪いまま荷物を抱えて出発する。

積載(Transport)
ヨシ邸に到着し早速LANZAとTT250Rをトランポに積込む。
しばらくするとヨシと、昨晩ヨシ邸に留置(?)されていたハマーが出てきた。
ヨシとハマーも「Xジャンプ」にて敬意を表した。
みんなの荷物を積込み一路高速IC目指した。

出会い(Nice To meet you ! )[by WickeySan]
AM5:00過ぎ、東名高速 海老名SAに到着。
ここにはチーム所沢営林署の連隊長とキム氏が昨晩からビバーグしていた。
二人のトランポを発見すると、まだ眠っていたらしく意外に早く来たなという面もちであった。
これで連合チームが全員揃った訳だ。 とりあえず各自食料調達と水抜きをしつつ、一路FISCOを目指した。
いやがおうにもレースへのテンションが高まっていくのを感じていた。
だが一方では今回は何も無いといいのだが...お約束のアクシデントはいつ襲ってくるのかという不安も拭えないのも事実であった。 (いつも自分が原因じゃねぇか!?)
到着(We are here!!)
AM7:00前、FISCOに到着。 ゲートオープンは7:30なのでしばらく待機する。
ゲート前には他チームのトランポやサーキット走行するであろう4輪車が列を成していた。
熊五郎とキム氏、そしてコスの3人で他チームのマシンを見ながらこれから始まるレースについて語り合っていた。
他の面子はおねむモード。 すっかり陽も昇り天候も絶好のコンディションであった。 そのうちゲートオープン、各車両はFISCOへ乗り込んでいった。
係員の誘導に従ってピット位置へトランポを駐車。幸い、我ら3台の車両は同じ並びとなった。
各マシンを降ろし、ピット設営や車検に備えて準備に取りかかった。
熊五郎の愛機XR200はチームスプラウトに運んでもらっていたため、まだマシン調整は出来なかったが間もなく到着。
熊五郎は相棒のシオジ氏と車検の準備にとりかかった。

今回の出兵面子は以下
No | チーム | メンバー | 乗車機 |
---|---|---|---|
1) | チーム所沢営林署 | 連隊長 | XR250 |
2) | チーム所沢営林署 | キム氏 | CR80R2 |
3) | チームケリチキン | ヨシ&ハマー | LANZA |
4) | チームシスチキン | 悪鬼&コス | TT250R |
5) | チームスプラウト | 熊五郎&シオジ氏 | XR200 |
各チーム車検を終え、いよいよレースを待つのみとなった。
采は投げられた(Heat-1 Start)
そしてついにスタート地点への招集がかかり、各車スタートラインについた。
結構な台数の中、我ら連合チームの面々もあった。
なかでもケリチキンのスターターであるヨシと シスチキンのスターターであるコスは 26、27と連番なので隣同士に並んだ。
高まりつつ熱気の中、相変わらず二人はくだらない話に花を咲かせていた。

ところでコスは今まで投入していたマギーSEROWに変わり、 今回は悪鬼のTTでの参戦となる。
フルサイズオフロードバイクに加え、エンデューロタイヤを装着しているため 足つきがかなり厳しい。
ヨシと会話している間、かなり足下が落ち着かなかったようだ。
(当時ヨシはそんなコスの苦労に気付かず、後の写真によって事実を知ることとなる。)
比較的足つきのいいLANZAと脚長に恵まれたヨシには全く問題外であった。
そんなヨシを内心羨ましいと思っている間に、ついにレース開始となった。
ローリングスタートなので各車ペースマシンに付いて次々にスタートしていった。
今回はアクシデントが発生しなければ良いが...

さすがは富士じゃ!!(Ichi FUJI Ni TAKA San NASUBI!)
富士のコースはケリチキンとシスチキン以外のメンバーは走行経験があるので比較的 余裕があるかも知れない。他のマシンに難なくついていく。
ダブルケリーは初めてのコースなので下見しつつ(恐る恐る)流れに乗って走行した。 このコースは情報通り火山灰質でふかふかしている。
「こりゃぁ走りづらそうじゃなぁ。」との思いとは裏腹にマシンはサクサクと進んでいく。
これはTTの性能がいいのか、タイヤの性能がいいのか、はたまた自分の腕が上達したのか?
TTはさすがにエンデューロをターゲットとした作り込みだけありいい感じだ。
セル付きも大変重宝する。
一方ヨシ&LANZAもコスの後ろについて問題なく走行している。
そうしているうちに1ラップを回りついにレース開始となった。
各車ダッシュして1コーナーへ突っ込んでいく。ダブルケリーは相変わらず弱腰だ。
ヨシとコスの脳裏には間違いなく御荷鉾合宿と佐野坂レースの経験がよぎっていたのであろう。これがチキンなる証か!?
しばらくランデブー走行していたが、ウォッシュボード手前のコーナー脱出でヨシのLANZAが前に出た。
なんとなく4ストと2ストのパンチ力の差を感じたシーンであったが、 ヨシもなかなかいい感じで走っている。 置いていかれないようにヨシをロックオン状態で周回を重ねる。

そうして何度か転倒などもありつつ、チームメイトの悪鬼と交代する。
悪鬼は軽井沢以来2度目のレース参戦だが、持ち前のダークフォースと鋭いアゴで快調にレースを運んでいった。
シーット!アーイム ミステイク!!悪鬼が通過する時は 「Xジャンプ」をして敬意を表さなければならない。
連合チームの面々は悪鬼が通過するとき緊張と恐怖の為、ピリピリしていた。 あくまでも粗相の無いように...

ケリチキンもハマーと交代しながら周回を重ねている。
ハマーもレース当日までLANZAを借りて毎朝通勤に使用して体に馴染ませていた様でなかなかいい走りっぷりを見せていた。
いつかのツーリングスタイルから脱し、それらしいフォームになっていた。
一方、連合チームの連隊長、キム氏もシングル参戦ながらコンスタントに周回を 重ねているようだ。
さすがにダブルケリーとは走りの格が違う。
そしてチームスプラウトの熊五郎&しおじ氏も着実に周回を重ねているようだ。
幸いこれといった怪我もなくおごそかな(?)雰囲気でレースは消化されていった。

3時間終了(Heat-1 is over)
そんな中、トラブルが発生した。
チームスプラウトのマシンXR200がクラッチトラブルで走行不能となったようだ。
度重なるマシントラブルでマシンオーナーの熊五郎は何度苦渋を飲まされたことか。
彼に言わせれば、悪鬼とコスが参戦しないレースではノントラブルらしい。
特に今回はその二人がチームを組んだため、より一層強力なダークフォース(注:闇の力) となって熊五郎に被害をもたらしたらしい...
(悪鬼、また何か工作したのかな?しかし何故熊五郎がターゲットに...? 後の調査でどうやら「Xジャンプ」をおろそかにしていたためとの噂あり...)
そしてまたもやトラブルが!!
コンスタントに周回を重ねていた連隊長が他車に引っかけられ転倒、 ブレーキレバーが根本からポッキリと折れてしまった。
他のメンバーは代替品で復旧作業を試みようするが、 危険との理由で連隊長自ら出走を断念した。
さすが連隊長は大人だ。ワイルドな容姿の中にもジェントルな一面が伺い知れる。
そしてまたまたトラブルが!!!
今度はキム氏がピットイン、出走を断念するらしい。
愛車CR80Ⅱはダメージが無いようだが...何故?
キム氏はレース中、キャメルバッグで水をガブ飲みしていたため、 度重なる突き上げと振動により「おなかの急降下状態」になったらしい。
次回はマキロンの他にビオフェルミンを用意しておかねばなるまい。
そうしているうちにあっと言う間に3時間が経過し1ヒート目が終了した。
なんてこったい!!
有力チームがトラブルにみまわれる中、ダブルケリーだけが生き残ってしまった。
これでいやがおうにもクラス優勝の重責を担うはめになってしまった... (誰も期待していない。)
休憩(Rest Time)
昼休み、午後からの2時間(2ヒート目)に向けてメシを頬張る。
パドックは1ヒート目の話で盛り上がる。
そんな中、苦手な早起きと肉体疲労によりハマーが泣き言を言い始めた。
まず第一に昼飯を用意していなかったこと。
朝、コンビニでみんなと一緒に食料を調達した筈だったが、どうやら朝飯のみの購入と勘違いして買った食料を食い尽くしてしまったらしい。しょうがないのでライスボールを一個支給した。
次に日頃の仕事の疲れが重なって1ヒート目で体力を使い果たしてしまったらしい。
2ヒート目を出走キャンセルするとまで言いだしゴネていたので、 さすがにヨシが食らいついた。
しばらく益田弁でもめていたがうまくハマーは丸め込まれてしまったようだ。
どんなやりとりが交わされたか定かでは無いがめでたし、めでたし(?)
山河燃ゆ(Heat-2 Start)
メシを食い終わったヨシとコスは午後からの2時間レース(ヒート-2)のスタートラインにいた。
まさかケリチキンとシスチキンが生き残るとは思わなかった... 誰もがそう思ったことであろう。
実は今回の富士レース参戦を陰から支えてくれているチームスプラウトの提案で内輪でのトトカルチョを実施していたのだ。
チームスプラウトの面子はベテラン勢で、ダブルケリーが太刀打ちできるものではない。
当然、トトカルチョでの評価も低い。(倍率が桁違いじゃ。)
それがどうだろう、とんだダークホースとなったのである。
ダブルケリーの面子は両肩に載る重責(?)を感じつつ静かにスタートを待っていた。
そしてヒート-2スタート!!
午後からは若干コースが変更され苦手なウォッシュボードが無くなった。
そして綺麗に轍が出来たため随分と走りやすくなった。

しかも変更後のコースはジャンプスポットが増えたので断然楽しくなった。
とは言っても満足するジャンプは出来るはずもなくコブをなめるしかなかった... (根性無し!!)
折角ジャンプスポットでカメラを構えていた熊五郎に申し訳ない... (本当はクラッシュスクープを狙っていたとの噂も絶えない!?)

後に発覚したことだが、どうやらヨシはここで疑惑ジャンプの写真を撮られていた。 (実際はジャンプしていない写真をデジタル処理で捏造したらしい)
チームメイトのハマーと悪鬼もみんなの声援を受けながら、大したクラッシュも無く コンスタントに周回を重ねていった。
今回のレースは柔らかい土質もあってかアクシデントも少なく無事に終盤を 迎えようとしていた。
ガッデム!!(Accident)
その情報は突然やってきた...
ハマーとコスが連隊長やキム氏とパドックで休んでいるときだった。
RMXで参戦中の他チームのライダーが「お宅のバイクが引っかけられて転倒してるよ。」 と声をかけてくれた。
悪鬼だ!!場所を聞いて連隊長とキム氏、そしてコスが現場へ急行する。
現場では悪鬼とTTがコース脇の斜面にもたれかかっていた。
悪鬼は脇を押さえて痛みをこらえていた。どうやら追い抜かれざまに引っかけられてしまったようだ。
3人で悪鬼とTTを安全な場所へ運ぶ。
悪鬼は自力で歩けるがレース続行は無理そうだった。
コスがリタイアを考えていた時、TTの具合を確認していた連隊長とキム氏がレース続行を勧めた。

悪鬼もレース続行を希望したので悪鬼のメットとブレストガード、 グローブを借りてそこから出走した。
エンジンは調子がいいが、ハンドルステムとブレーキレバーがずれていたのでとりあえずピットインした。
悪鬼も連隊長たちに支えられて戻ってきた。各部を調整した後自分の装備に交換してコースインした。
残り時間もあとわずかだったのでチェッカーまで走りきるしかない!!
ケリチキンは問題なくラップを重ねているようであった。
5時間終了(Heat-2 is over)
今まで生き残ったチームはチェッカーへ向けてスパートを開始していた。
ケリチキンとシスチキンのダブルケリーも例外ではない。
後半、少なくなったとはいえ多少の転倒はあったが快調にラップを重ねていた。
そしてついに長かった5時間が経過しチェッカーとなった。
終わってみれば長かったがコース的には比較的ビギナー向けの設定で 走りやすかったのではなかろうか。

霊峰富士(Result)
レース結果は全員完走と記録された。めでたいことだ。
尚、CR80-R2にて参戦したキム氏は見事クラス3位入賞を果たし表彰台に
あがった!!おめでとうキム氏!!
これは所沢営林署連合チーム発足以来初の快挙である。ちなみにこのクラスのエントリー台数は3台であった...
また、商品ゲット抽選会では悪鬼が横須賀産キャベツ1ケースを当てた。 (本人はトランポ内で休養中であったがしっかりとダークフォースを使っていたと思われる?)
なんにせよめでたいことじゃ。

第14回EDカップ公式結果
クラス順位 | 総合順位 | チーム | 1Heat 順位 | 1Heat 周回 | 2Heat 順位 | 2Heat 周回 | トータル 周回数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
15位(5B) | 48位 | ケリチキ | 50 | 45 | 46 | 24 | 67 |
17位(5B) | 50位 | シスチキ | 46 | 47 | 51 | 30 | 67 |
31位(5A) | 57位 | くましお | 55 | 37 | 59 | 1 | 38 |
5位(3A) | 10位 | 連隊長 | 40周 | ||||
2位(3A) | 11位 | キム | 31周 |
まとめ
一行はFISCOを後にし、とりあえず東名高速足柄ICにて反省会と称してメシを食らった。
その間も悪鬼はトランポ内で横たわっていた。
怪我の具合が心配だが、ハンバーガーは食することが出来るので少し安心した。
帰りの高速はひどく渋滞したが、連隊長とキム氏は眠気に屈することなく帰還できたようだ。
ダブルケリーも疲れと渋滞でかなり眠かったが、無理矢理ハイになって騒ぎ、しのいでいた。
途中見かけた怪しい動きの普通車を見ると、運転席ではおやじが昏睡状態だった。(合掌)
ダブルケリーもなんとか渋滞を抜け、ヨシ邸に到着。TTとLANZAを 降ろしてヨシとハマーに別れを告げる。
悪鬼は怪我がひどそうなのでコスが悪鬼を送っていくことにした。
どうせマギーSEROW(公道Ver.)も取りにいくついでだから 運転していくことにした。
悪鬼邸について荷物と戦利品(キャベツ)を部屋まで運んで悪鬼に別れを告げる。
怪我の具合が思わしくないので医者に見せることを勧めておいた。
後の検査であばらにひびが入っていたようだった。そりゃ痛いわな。 怪我のつらさをチーム一痛感しているコスにはその気持ちが良くわかった。
みんなも怪我には気をつけよう。
悪鬼邸を後にしたコスは愛車マギーを走らせ自分の会社に向かった。 (悪鬼邸からコス&ニックの会社はべらぼーに近いんじゃ。)
何故?そう、今回参戦を予定していたニック(横綱)が仕事にはまって休日にも拘わらず残業しているからである。
レース参戦を楽しみにしていたニックに結果報告をしようと思ったからである。 (本当はひやかし?)
コス&ニックの会社...そこにニックはいた。ちなみに第1子分であるジャックナイフ○浦も一緒に仕事をしていた。
レースの結果を一通り説明して帰宅した。
今回はケリチキン発足後、初の日帰り圏での参戦となった。
疲れ度合いは日帰りの方がきついかも知れないが、資金面ではかなり負担が軽い。
近場では結構楽しいレースも開催されているようなので狙い目かも知れない。
ただ富士EDカップはもう一度参戦してみたいレースであることは言うまでもない。
今度こそクラス優勝を目指して...(←ちゃんと練習しろ!!)
劇終(←右読み)