3Dプリンタ 購入編(1)検討

3Dプリンター

3Dプリンタほしい

数年前より時々発生する、3Dプリンタほしい病。モデラーでもないので、あまり活用できないはずと、 自分に言い聞かせて諦めているのだが、何かが作れそうな気がして時々急に欲しくなってくる。

そもそも3Dプリンタが話題になり始めたのは2010年頃からだろうか。昔から存在はしていたが、 この頃から、工場ではなく家庭(マニアックな)でも使えそうなものが登場し始めたようだが、 「なんでも作れる」かのような紹介をされたため、無駄に盛り上がった。しかし何でも出来るわけではないことに気づき始め、おかしな盛り上がりは消えつつある。しかし3Dプリンタ自体はしっかりと進化を続けているようで、 最近のものは昔の上位機種以上の性能となっているようだ。

そもそも「3Dプリンタ」という言葉だけで一括りとしてしまっているのが問題で、ひとくちに3Dプリンタといっても ピンからキリまで多種多様に存在している。しかしここで言う3Dプリンタとは家庭用を指す。そうなると、自ずと出来ることややれることは限定されてくる。

では、自分が何を作りたいのか考えてみるが、よくわからない。何が出来るのか、何が作れるのかを試してみたい。というところだろうか。こんなお試しに数十万かけるのは難しいが、パソコン1台買うつもりで3Dプリンタ1台買うと思えば、 案外アリなんじゃ?いろいろと、購入を納得するための言い訳を自分に向けて考える。

もうすこし、納得できる理由を考えてみよう。

3Dモデルデータ

3Dプリンタが出始めてから、わりと時間が経っているため、いろんな3Dモデルデータが揃ってきている。 各ブログやフリーのサイトに色んな人が作ったものがアップされており、自分にモデリング能力がなくても、 ダウンロードして出力するのが、わりと簡単になってきている。でもある程度加工はしたいので、 モデリングソフトを多少は使えるようになっておきたい。

安価で高性能な機種の登場

昔の機種に比べ、ノウハウの蓄積なのか、価格に比べて性能の良いものが出てきているようだ。 3Dプリンタばやりで無駄にたくさんのメーカが出てきてたくさんの機種が発生していたが、 世間はそんなに購入しなかったため、駄目なメーカは淘汰されており、現在生き残っているのは、 しっかりしたところと思われる。安い機種でも全然使えない性能だと、売れないということがわかり、 最低限の性能をクリアしたものが出てきていると思われる。

出来ないこと、難しいことの判明

ネットには、いろんな成功例や失敗例が存在しており、何が出来て、何が大変かといった運用時のノウハウがいろいろと 揃ってきている。機種、使い方、フィラメント、ツール、ソフトといったいろんな情報があるため、 必要な部分と妥協できる部分を考えることができる。

条件検討

さて、現在まで衝動買いをしてしまうこと無く、やり過ごしているのだが、このまま慎重に機種選定などしてみよう。

まずは購入に向けた条件を洗い出してみる。

予算

10万までといったところがボーダーラインだろう。PC購入と思えば20万まで? 最初なのであまり高いのを買っても意味がなく、大量生産の予定もないので、あまり費用はかけたくないが、 安くても性能の悪いのは困る。

サイズ

造形可能サイズは、100mm~300mmくらいのものが存在しているようだが、 iPhoneなどのケースを作る場合には150mmは必要。これぐらいは欲しいところ。

フィラメント

代表的なもので、PLAとABSがあるらしく、最低限この両方はサポートしたい。 ABSの場合には土台が熱くなるヒートベッドが必要らしく、これも装備してないと厳しそうだ。 純正フィラメントに加え、社外品フィラメントも使えないと困る。 フィラメントがカートリッジ型の機種もあるようだが、これは論外。

機種選定

ネットを眺めて、良さそうな機種をピックアップ。日本製はどうも高くて今一つっぽい。 逆に海外(ほぼ中国)製はサポートが不安。自分で組立てる方式は、どれくらいの技術が必要なのかわからないが、 仕組みが理解できて、常に調整の必要な機器らしいから内容を知っておくためにもいいのかも。

UP Plus 2
値段が15万と少々お高い。ブログを見ると、かなり精度は高い様子。 造形サイズが140mmとギリギリサイズ。iPhone7が138mmぐらいのため、iPhoneケースは難しいか。 販売しているところは色々あり、大手家電量販店でも取り扱いがある。有名?

TRINUS
本体5万と結構お安い。しかし自分で組み立てる方式。部品数は少なく組み立て難易度は低いとのこと。 造形サイズが120mmと小さめ。オール金属製で精度が高いらしい。 ただし本体だけだと基本機能のみで、いろいろやるならオプションを揃える必要あり。 でもそのオプションにはレーザもあり、金さえあれば色々できそう。

JGAURARO A3
こちらも自分で組立方式で、値段は少しお安め4.2万。最初からヒートベッドもついており、かなりお得っぽい。 造形サイズも200mmと結構大きめで、よさそう。

QIDI TECH X-1
こちらは組み立て済みで5万。ヒートベッドも有り、調整済みなのですぐ使えるとのこと。 箱自体も金属製らしく、がっちり安定してそう。また青い外装がなんだかおしゃれ。

QIDI TECH 1
こちらは上のX-1の上位機種で、こちらも組立て済みで7.5万。ダブル押出機ということで、 2種類のフィラメントが同時に使用できるらしい。2色とかで成形できるんだろう。すごい。

目についたのはこんなところだ。ちょっとまとめてみよう。

機種名称価格造形
サイズ
本体
サイズ
重量
特徴デメリット
UP Plus 2\152,000140x
140x
130mm
W245x
D260x
H350
5.0kg
造形精度が高いらしく、安定している様子。記事も多くネガなものが少ない。造形サイズがちょっと小さいか。そして10万超えはやはり厳しい。
TRINUS\49,900120x
125x
125mm
?
9.8kg
オール金属製で精密動作可能。組み立ても簡単らしい。レーザーユニットに交換もできる。いろいろ別売りで、揃えていくと10万クラスに。造形サイズも小さめ。
JGAURARO A3\41,929200x
200x
180mm
W430x
D400x
H410mm
9kg
安い組み立て系の中では、精度が高い様子。部品の殆どが金属製。サポートが海外となるため不安。案外ブログ記事が少なめ。
QIDI TECH X-1\49,800140x
140x
140mm
W380x
D320x
H360mm
19kg
組み立て済みで即印刷できて、かなり精度いいらしい。造形サイズがちょっと小さいか。
QIDI TECH 1\74,900230x
150x
150mm
W465x
D320x
H375mm
20kg
デュアルヘッドなので、なにかすごいことができそう。大きい、重たい、難しいかも。

安い組立方式を探すと色々とあるが、やはり組み立てのブログを見ると、色々と苦労している様子。 逆にそこが楽しかったりするのだろうが、まだそこまでのスキルがないので、最初はもう少し優しいものとしたい。

安価シリーズ

いろいろと3Dプリンタを調べていると、安い3Dプリンタが目につく。すべて組み立て式で、 販売元は中国系のようなのだが、かなり苦労はするが値段がかなり安い。少しこれらについて調べてみる。 見始めるとたくさんあるがAmazonで目につくのは HICTOPというメーカ?のものと、 ALUNARというメーカ?のもの。 2017/08現在で購入可能な機種について調べてみる。

メーカ機種名称価格造形
サイズ
本体
サイズ
重量
デメリット
HICTOPReprap Prusa i3 3dp-08bk\29,300270x
210x
200mm
370x
440x
750mm
8.3kg
Reprap Prusa i3 3dp-11bk\32,500270x
210x
200mm
370x
440x
750mm
8.3kg
アルミニウム製
Reprap Prusa i3 3dp-17bk\40,000270x
210x
200mm
370x
440x
750mm
8.3kg
アルミニウム製、自動レベル調整、フィラメントモニター
Reprap Prusa i3 3dp-20\55,880300x
300x
400mm
490x
600x
615mm
10.3kg
造形サイズが大きい。組み立てが簡単らしい。
Reprap Prusa i3 3dp-21 ender\28,555150x
150x
200mm
300x
330x
540mm
4.2kg
コンパクト
ALUNARReprap Prusa i3 3D M505\25,999220x
220x
230mm
9kg
Reprap Prusa i3 3D M506\27,777220x
220x
230mm
390x
470x
390mm
10kg
Reprap Prusa i3 3D M508\28,899200x
200x
180mm
10kg
Reprap Prusa i3 3D M518\22,099150x
150x
150mm
395x
395x
415mm 8kg
Reprap Prusa i3 3D M605\24,999220x
220x
240mm
7kg

安価なやつは、安価らしく組み立てにはそこそこのスキルが求められる様子。作成スキルに加え、 チャイナクオリティへの対応も必要らしく、組み立て手順も自分で調べたり、部品の精度を確認して、 悪い場合は補修、取替を自分で行ったり、といったいろいろ自分でできなきゃ完成まで持っていけないようだ。

ただ、3Dプリンタは運用中のメンテナンスは必要らしく、組み立てを行なうことで仕組みを把握することが出来るため、 故障や不調に自分で対処するスキルを得ることが出来るようだ。う~ん、大変そうだけどやってみたい。

判断

悩み続けて、判断箇所が見えてきた。大きな選択肢は以下の2つだろうか。

  1. 安価な自作方式として、まずは組み立てを楽しむ。
  2. 安価な組み立て済みとし、本来の造形を楽しむ。

自作方式の場合には、組み立ても楽しめて、その後造形も楽しめるといった、おもしろさ満点な感じもするが、 途中挫折する可能性も高く、造形どころか組み立てきれず、調整もできずにグダグダとなって、 3Dプリンタへのトラウマを抱えてしまう可能性もある。
その点組み立て済みの場合は、造形から入ることが出来て、楽できるがその分飽きるのも早いかも。 ある程度3Dプリンタを知ったところで、組み立て式を買うなどという選択肢もある。

よく考えて買おうと思ったばっかりに、いろんな沼に落ちているようだ。これなら、何も知らずポチッてしまったほうが、 良かったのかもしれない。悩みは続く。

さらに見てると、デルタ型のやつは構造は簡単だが、いい精度で造形できるなどの記述を見つけた。 どれくらい本当なのかは定かでないが、動きの予想できるXYZ方式に比べ、 なんで造形できるのか?といった動きを行うデルタ型も面白そう。 そして、構造が単純ということで価格も安く抑えられるので、手が届きやすい。ヤバイ完全に泥沼だ。

3Dプリンタ 購入編一覧

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