3Dプリンタ 道具編(5) ねじとナット

3Dプリンター

ねじの規格

ねじについては、規格で色々と決まっており、サイズが確定している。 以下に詳しく解説してあった。

そして、Fusion360にはねじ規格似合わせてネジを切ってくれる機能がある。

各規格に合わせて設定してくれるので、楽だと思っていたが、実際にそれを3Dプリントしてみると、うまくハマらない。 どうやら3Dプリントで少々縮んでしまい、穴が小さくなってしまうようだ。では、実際にネジを使う場合に、どんな穴を開ければネジにマッチするかを実験しておこう。

ネジ穴調査

まずはよく使うネジとしては、ミリネジの3mm~5mmといったところ。M3,M4,M5といった表記がされているやつだ。 Fusion360でもデフォルトで「ISOメートルプロファイル」というのが選ばれるので、ミリネジ規格がデフォルトとなっている。

サイズも0.25mm(多分印刷不能)から1060mm(1mのネジ穴?)といった各種設定が選択可能。 また、径を選択すると、規格に沿ったネジ山のピッチも選択可能。でもいくつかあると、どれが標準的なやつなのかよくわからない。 どうせソコまで精密な印刷はできないだろうから、だいたいでいいのかな?

ということで、各種ネジ穴を作成して、印刷してみる。うまくネジがハマればいいのだが。

ネジ穴印刷

調査用のネジ穴を各種開けたstlファイルをFusion360で作成したので、これを出力する。

では、実際にネジを差し込んでみると、まあ予想したとおりというか、きちんとハマらない。 各種サイズを印刷しておいたので、どれが一番近いかを試してみると、+0.5のサイズがちょうどよい。 M3はM3.5、M4だとM4.5がちょうどよい。M5の場合はM5.5だと若干ぶかぶかに。う~ん難しい。

ネジが効くレベルでの穴あけは結構難しいが、M3,M4については、+0.5にしておけば、なんとかなるようだ。 +1にすればネジは十分通るので、貫通穴を考えるなら+1のネジ穴開ければ良さそう(ネジ山切る意味ないけど)

実際にねじ山はうまく印刷はされていないようで、ネジを使って自分んでネジ山切りながら進む感じ。 5mmくらいねじ込むようにしておけば、かなり効きは良さそう。

ネジにはインチネジなんかもあるが、滅多なことがない限りインチネジは使わないので、調査はしない。面倒。

ナット

ネジ穴以外にも、ナットを埋め込む孔を開けることが出来る。 Fusion360での作り方は「スケッチ」「ポリゴン」「外接ポリゴン」とすればよい。

これで、6角形を書くことが出来るのだが、サイズについては自分で調べる必要がある。 以下を参考にしてみる。

外接ポリゴンで書く場合には、上記表の「s」の値の半分の値を設定する。M4ナットの場合は、S値は「7」なので、 Fusion360では3.5を入力して作成する。

と、言った形で調査用の六角穴を各種準備。これで印刷してみて、実際にナットを入れてちょうどいいサイズを探してみよう。

いろいろ誤差が出る前提で穴を用意したが、これに関してはすべて規格通りの値できれいな穴が空いた。 穴あけに関してはきちんと精度がでるようだ。そうなると六角穴は便利かもしれない。ネジ穴は大きめのバカ穴にしておき、 ナットでしっかり留められるような構造がいいかも。

まとめ

ねじ穴、ナット穴作成のまとめ(ねじ穴は有効値を使うとよい)

サイズねじ穴ナット穴備考
有効値
(半径)
本来
(半径)
入力値外接値
M31.4651.2652.755.5ネジ穴は+0.2(半径)くらいすると良さそう。
ナット穴は外接値(s)の半分(半径)を外接ポリゴンで入力
M41.8921.6663.57.0
M52.5142.1174.08.0
M6???2.5185.010.0
M8???3.396.513.0
M10???4.2638.517.0

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