3Dプリンタ スマートロック編(3) 状態検知

状態検知

サーボを使用して、錠を回す操作はできた。サーボによる錠の開け閉めと、サーボ関係なく手動での開け閉めができるようにしたのだが、 そうなると、現在の錠の状態が把握できていないことに気が付いた。すべてが電子制御ではないため、 操作を記録していても、手操作が入ると状態は不正確となる。現在の錠の状態把握を検討しよう。

錠のつまみには、カバーとレバーが取り付けてあるので、これを活用して現在の錠の状態把握をしてみよう。 候補としては

  1. 光センサ(CDSセル)などを使って、レバーやカバーの位置検知
  2. ドアセンサー(リードスイッチ)などで、レバーやカバーの位置検知

などが考えられる。そんな時に、100均で以下を発見。

100均でドアセンサーがあったので、購入してみる。ここから部品調達できないか、試してみたいと思う。 内容は、本体とちっちゃいブロックの構成。たぶん小さいほうは磁石だと思われ、そうなると本体側にはリードスイッチが内蔵されていると期待。 小さいブロックは調べてみると磁石だったが、磁力は弱い。こんなもんで大丈夫なのか?

早速本体側を分解してみると、下側3分の2は電池エリア。上に少しだけ基盤が入っている。真ん中にコントローラらしき石。そして電源のコードとブザーのコード。 あと大きな丸いのはコイルっぽい。ブザーの発振用かな?

基板の裏を見てみると、見つけた!リードスイッチだ。ガラス管の中に入っているので、こいつがそうだろう。 これを取り出して、使えないか検証してみよう。ちょうど基板に簡単にはんだ付けされているだけなので、簡単に取り外せそうだ。

ということで、リードスイッチのサルベージ開始。わりと簡単な取り付けなので、はんだを溶かして外してやればすぐに取り外しが出来た。 基板の穴にも差し込まれてないので、簡単。

100均のドアセンサーは2式購入してあるので、2つの取り外しを実施。右側にある2つのガラス管が、取り出したリードスイッチ。 ちなみに、同時に購入し、製造時期も全く一緒の記載のドアセンサーなのだが、内部基盤は少し違っていた。 片方(左)はICが黒い樹脂でモールドされているが、裏面の抵抗はセラミック抵抗が取り付けてある。 もう片方(右)はICが丸出しだが、抵抗はチップ抵抗となっている。 どっちが改良版なんだか、よくわからない。製造時期は一緒だが、製造場所は別?

ということで、ドアセンサー2式を分解して、リードスイッチの取り出しに成功。ほかには圧電ブザーも使えるかもしれないので、 とっておこう。あとは、廃棄。一度もドアセンサーとして動くことなく終了した。合掌。

リードスイッチ

100均からサルベージしたリードスイッチ。使い方は磁石を近づけるとスイッチオン。磁石を離すとスイッチオフという使い方となる。 なので、錠のつまみカバーと本体で、回転状態により近づいたり遠ざかったりするようになればよい。 可動部となるつまみカバー側にリードスイッチを取り付けると、コードが邪魔になるので、つまみカバー側には磁石を、 本体側にはリードスイッチを装備させる。

検討した結果、つまみカバーのレバー部分に磁石を仕込み、リードスイッチはシリンダー横に配置すればよさそうだ。 では、つまみカバーに磁石を仕込む。つまみカバーのレバー部分に磁石に合わせた穴をあけて再設計。そして印刷実行。

使用する磁石は、これも100均の磁石。ミニサイズだが強力なタイプ。強力すぎてリードスイッチが切れないと困るが。

この磁石を、つまみカバーのレバーにあけた穴に、パイルダーオンすれば完成。ちょっときつかったが、 磁石を外すことは無いのできついくらいがちょうどよい。そしてこれはレバー裏側になるため、正面からは見えない位置。 見た目も問題なしで、バッチリだ。

リードスイッチは、コネクタ付きのコードに接続して、スイッチとして利用可能な状態にする。

これを2本用意して、準備。

このリードスイッチを、つまみレバーが横になったときにスイッチが入るように、このあたりの位置に固定してやる。

リードスイッチの取り付けまでは、本体設計時に想定していなかったため、取り付け箇所の用意は無い。 なので無理やりホットボンドで固定してみる。可動部分ではないし、力のかかる部分ではないので、 ホットボンドでしっかり固定しておけば、取れてしまうことは無いだろう。

2式とも取り付けを行い、完成。スイッチングテストをして確認してみよう。

スイッチ動作確認をしていて、片方(白)はうまく動作したが、もう一つ(青)が反応が良くないので、リードスイッチの位置や向きを補正した。 なかなかうまくいかず、何度か補正していたら、リードスイッチが破損。やっちまった!

ガラス管が割れたようで、中のスイッチが飛び出してしまった。こうなったら使用不可能。もう一つドアセンサーを購入して、 リードスイッチを入手せねば。ダイオードのガラス管などはかなり頑丈だったので、つい油断していたが、リードスイッチのガラス管はかなりモロかった。 100均の部品なので、かなり安価なものを使用しているのかもしれない。次は注意しよう。

ということで、また100均に行って、ドアセンサーを購入。また失敗することを考慮して、一応2個買っておいた。 予定通りひとつはまた壊してしまい、2個目で完成。作戦成功?
どうも、リードスイッチと磁石をくっつけすぎるとよくないようで、近づきすぎない位置がいい感じだった。なかなかこのリードスイッチはいろいろとデリケートだ。

レバーの回転に対するリードスイッチの位置調整が出来たが、実際の玄関錠にセットして動かしてみると今一つ反応が悪い。 レバーに入れた磁石の高さ位置と、リードスイッチの高さ位置がずれているのが原因らしい。結構しっかりと位置調整しないと、 反応が悪いようだ。そのため、微調整しているとまたまた破壊。リードスイッチはかなりデリケートで、ダイオードのようにはいかないようだ。

ということで、100均での調達はあきらめて、素直に秋月で購入。5本入りで200円。 こいつでしっかり調整して作ってみよう。

秋月版リードスイッチで作成を行うも、2本ほど壊してしまった。 はんだ付けしたあとにリードを折り曲げるとか、なるべく優しく扱ったけど、案外弱い。いや、自分がガサツなのか?

予備にと購入しておいたケース入りのリードスイッチ。こちらは5本で300円とちょっと値段が高いが、 こちらのほうが頑丈なので、こっちに登場してもらおう。

たくさんの失敗により、リードスイッチの特性は把握してきた。壊れにくいリードスイッチのおかげで、 より安全にリードスイッチの取り付けができるようになった。これで問題ないはずだ。

収納ケース

玄関扉の錠部分にのみ集中して、ハードを作成していたが、サーボを動かすコントローラ(ラズパイ)側も近くに取り付けが必要。 やはり、このスマートロックに取り付けておいたほうがよいだろう。 ひとまず出来上がったスマートロックを見回して、お尻の位置にでもコントローラ収納場所を用意してみる。

コントローラの基盤を差し込むスロットを用意したケースをスマートロックの後ろに装着した。 ここにラズパイZeroを差し込めば、とりあえずOK。ラズパイZeroは40ピン全ては使用しないので、 上のほうのピンを使用してやれば、下側はケースの中に入っても問題ない。

がっちり固定されているわけではないので、最終的にはラズパイを両面テープで固定するなど、少し処置は必要だろうな。 それ以前に配線処理が大変そうだけど。

サーボカバー

サーボのお尻が丸出しなのが少し気になる。なので、ここを覆うカバーを作成して取り付けてみよう。
また、状態表示のLEDが欲しいと思っていたのだが、どこに取り付けようかと考えた時に、 ちょうどサーボのお尻が正面となるため、ベストポジションであることに気が付いた。
砲弾型LEDの取り付けを考えたが、RGBフルカラーの星型放熱基盤付き LEDがあったので、 これを貼り付けて取り付けることとした。

1W出力のmax150mAで20~30ルーメンとかなり明るいが、電流計算をして5mAで動かすこととした。 玄関は普段は暗いので、ほんのり見えればいいのだ。ラズパイはドライブ能力も低いからね。

施錠中の赤色と、開錠中の緑色を使用する。青があるが今回は無視。 赤はVfが2.5Vとのことなので、510Ω、緑にはVfが3.3Vとのことなので330Ωを取り付ける。大体これで双方ともに5mAが流れる想定。 GNDは全部繋いでコモンとした。

これをサーボカバーに取り付ける。ひとまずこれでお試し動作。状態が一目でわかるのはすごくよさそう。鍵の締め忘れもすぐにわかる。

ではサーボのお尻がすっぽり収まるカバーを作り、その裏側にLEDを埋め込む場所を掘っておく。 これで、LED付きのサーボカバーとなる。

LEDをへこみに両面テープで貼り付ければ完成。放熱板の部分については、表側に本体と同系色のマステを貼っておいて、ごまかそう。

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