序章(Prologue)
小湊EDで、チームケリーチキンによる今年初のエンデューロ出場&クラス優勝を飾る予定だったが、個々の事情により ヨシのみ出場となってしまった。とりあえずマシンの整備を行う。
ヨシのマシンであるLANZAは、すでにチェーンがオイル不足でガタガタ、スプロケはちびてトゲトゲ。EDタイヤとの交換と併せてチェーン&スプロケ3点セットを交換する。 奮発してゴールドチェーン&アファームスプロケをチョイスした。
そしてマシンのレース仕様への改造は、コスが手伝ってくれて速やかに改造が完了した。
整備力のない俺では保安部品の取り外しは懸念事項だったが、これで問題はクリアされた。
コスよサンコス!
波乱含みの出発!(so late)
小湊という場所は結構遠い。朝8時に受付じゃから、大変じゃ。
予定では11時出発現地付近で仮眠の予定じゃったが、予想通り遅れてしまった。連隊長の仕事の関係らしい。
おれは、車中で寝るつもりなので、とりあえずお迎えがくるまで起きていた。到着したのは3時半。積み込みを行って4時。はたして、8時までに到着できるんじゃろか?しかしすでに眠かった俺はそんな不安も感じず狭い後部座席で何とか睡眠体制を整えていた。
今回の出場体制はクラスA出場の連隊長。クラスB出場のヨシ。ヘルパーの熊五郎の3人だ。
俺の家からは熊五郎が運転していく。おれは出発は覚えているが、高速に乗ったのはもう知らない。すぐに寝たようだ。その後、海ほたるで一度起こされ何か聞かれたが「うん」とだけ答えて寝た気がする。そしてあまりの車の揺れに目が覚めるとそこはF2小湊への入り口だった。
時間は6時頃じゃったじゃろか。遅れることなくなんとか到着できたようだ。途中迷っていたようだが熊五郎なら安心じゃ。
到着(arrive)
到着し、ピットエリアを確保したらバイクをおろす。そして最終整備。というかゼッケン貼り。
2人ともまだゼッケンをつけてなかったので、急遽作成して貼る。なぜか、連隊長と同じゼッケンが隣にいる。前回のゼッケンが残っているだけだと思いきや、連隊長が確認するとどうやらカブっているらしい。
本部に話に行き連隊長は200番をもらって帰ってきた。しかもゼッケンシールまでもらっていた。
連隊長がいなくなったので熊五郎がゼッケンの用意をしていたのに無駄になってしまった。まあよくあることだ…
受付~1Hレース(waiting for my race )
まもなく受付が開始され問題なく完了する。今回はIDタグ装着方式なのでどうやらラップタイムも取られそうだ。
早速装着して車検も問題なくクリアする。この後午前中は1Hレースなので、暇になる。
ここまでくる途中にガソリンスタンドが無く(あるにはあったが閉まっていたらしい)ガソリンがない。 急遽スタンドの開く時間を見計らって熊五郎に購入に行ってもらった。サンコス!
1Hレースが始まり、その様子を見る。天気がいいのでかなりほこりが立つ。午後は大変なことになりそうだ。
その後熊五郎と連隊長がコース下見に行って大変なものを見つけたらしい。俺も気になって見に行くとそこには恐ろしい物があった。
大きな岩をくるっと回るコースができており、しかもそこは斜面。そしてすべてが岩場。
さらに雨による浸食もあり、たくさんのわだちだらけだ。1Hレースではそこはカットされているのでまだ誰も走っていない。実際にそこに行って確認してみると、完全にトライアルコースだ。
どうイメージしてもここをクリアするイメージが湧かず転ぶシーンのみが思い浮かぶ。一気に気落ちしてしまった。
車に戻って連隊長と恐ろしさを話し合う。どうもアクシデントの予感が…
レース開始(go ahead!)
1Hレースが終わり3Hのスタートが始まる。とりあえずスタート前の確認をする。
ガソリンも補給済みだし、早めに昼食もとったし、水分も早めに補給済みだ。睡眠もある程度とれているし特に問題なし、シグナルオールグリーンじゃぜ!
スタートはいつものローリングスタートで、クラスごとゼッケン順にメインストレートに並びマーシャルの後に付いていく。
前の方のクラスがスタートを開始していき、俺のクラスのスタートがだんだん近づいてくる。
そして、マーシャルがスタートし、それに順番に付いていく。俺の後ろのロスケ野郎は俺より先に飛び出しかなりテンパっていた。おいおいおれにぶつけんなよ。(まだ余裕)
日の丸は何処?(I don’t look for rising sun)
ローリングスタートが開始され前のバイクに付いていくのだが予想外にペースが速い。というか俺が遅すぎなのか?早くもピンチ!
練習なしでいきなりオフレースに出場だったので当然乗り慣れていないのもあったが、一番の原因は慣れていないコンタクトレンズにあった。
スタートしたらいきなり視界不良になった。埃のせいか、おれの目が血走っていたからか原因不明だが路上の状態が把握できない。でけえ岩とかしか見えない状態に陥り直線でさえ飛ばせなくなって前のバイクに付いていけない!
すぐ後ろにバイクの音が聞こえるからロスケがせっついているのであろう。メットの中では何か叫んでいたかもそれない。(ピロシキー!)
ローリングスタートで前車とすでに5~6馬身?離されつつ問題の岩場に到着。どうやってクリアすればいいかわからず前車はすでにクリア済みでルートを盗むこともできない。しかたなく意を決して突っ込んだ。
結果はイメージ通りに?轍にはまってスタック。そのまま後続はうまくクリアしていく。う~んやつら簡単に抜けて行くけど、なんでおれはうまくいかねぇんだろ?
いったんスタックするとタイヤがスリップして抜けれそうにないからバイクを降りて押しながら下まで降りる。そしてまた助走をつけてチャレンジするも結果は同じ。
悪戦苦闘するがいっこうに抜けれない。コースマーシャルがああしろこうしろとアドバイスを出してくれるのだが、それができるくらいならスタックはしないのだ。
そろそろ先頭集団が一周まわってくるんじゃねぇかって頃、見かねてマーシャルが脱出を手伝ってくれた。
具体的には一緒にバイクを押して脱出可能地点まで移動した。
落ちるような岩場の下りを降りてコーナを曲がると日の丸の旗を発見!やっとレーススタートか。やれやれじゃ。なんとかスタート前でのリタイア及び周回遅れは逃れたらしい。
一周(a Hard around!)
その後の林の中はコースが入り組んでおりすでに腕の上がらない俺はさんざんコースをオーバーランしてしまう。
林に突っ込んでみたり、行き止まりに突っ込んだりした。しかしLANZAの足つきの良さとセル一発再始動は、非常に助かる。
しかし、コーナーオーバーランで木に激突し、こけたらハンドルガードが壊れた。そしてハンドルは少し曲がった。また、ブレーキレバーはアッキーレバー(ひん曲がった)になり、そしてアクセルが自分で戻さないと戻らなくなった。(アクセルの動きがすごく固い)
後続に轢かれないようすぐに復帰し、妙に吹けあがるアクセルと苦闘しながらなんとかスタート位置までたどり着くことができた。
迷うことなくピットレーンに戻る。ピットに帰ると熊五郎は撮影で出かけており誰もいない。
自分でバイクをたてようとするが、腕、足ともに痙攣していてびっくりした。何とかバイクにスタンドをたて、休む。
水を飲むにも握力はほとんどなくなっておりペットボトルを持つのもつらい。
一息入れて、まずはコンタクトレンズをはずす。どうやらレースには向いてないようだ。めがねを持ってきていてよかった。すぐに交換する。
そして次はハンドルを確認する。ハンドルバーは曲がっており、ガードは壊れている。アクセルは壊れたガードに干渉しているようで、動きがとても固い。
とりあえず壊れたガードをはずしてみると、アクセルの動きが軽くなった。原因はやはりこれだったようだ。
エンジンをかけ直すと快調に回り、特に問題なさそうだ。残念?(リタイアの口実が消えてしまった)
そしてひたすら休む。まだまだ体は痙攣中だ。まるでちゅうきをひいたじじいのようだ。おのだ医院の先生もまっさおじゃぜ。
このままあと2時間ばかり休んで最後の周だけ走ろうかとぼんやり考える。
激走?(amuro ikimasu!)
休みながらレースを見ていたが、見ているとだんだん走りたくなってしまい、10分くらい休んで出発した。
めがねだとよく見える。こんな危ないところを走っていたのかとびっくり。知らぬが仏とは、このことか?
頑張ると危ないからツーリングペースではしる。そしてまたまた問題の岩場に到着。
今回の作戦は「とりあえず上まで登れば、あとは降りるだけじゃん」作戦でいく。登り途中でのスタックはその後どうしようもなくなるので、とりあえず上まで登る。そのあとは何とかなるんじゃないかな、というナイスでアバウトな作戦だ
ということで作戦通り勢いよく登るが、勢いよく溝にはまりこみ、そして俺が勢いよく飛ばされた!
コスがいないから俺が「ガンダム発進」をする事になっているようで、俺はみごと空中に射出された。
(たぶん)弧を描いて綺麗に右膝と右肩で着地。そしてバウンドして反転し左肩で着地。華麗にのたうち回った。
着地点が岩なので大変じゃ!我に返ってひとまず腕と足があるか確認。普通に繋がっているので、無くなったり折れてはしていないようだ。
立ち上がってみると上の方にバイクが横たわっている。マーシャルがバイクを起こしてくれた。それを受け取りエンジンを始動すると問題なくエンジンがかかった。
作戦通りすでに高い位置にいるのでバイクを滑らせつつ方向転換させて何とか脱出に成功。コースに復帰した。
直後にあった広い場所でバイクを止めて休憩。落ち着きを取り戻す。さっきの作戦はどうやら失敗のようだ。上の方にはでかい轍(わだち)があるので、危険。もう少し作戦を再検討しよう。
休んでいるとさっき助けてくれたコースマーシャルが通り過ぎる。「疲れた?」と言う問いに疲れたジェスチャーで返す。返事をするまでの元気はなかった。
休憩(many rest)
コース脇でゆっくり休憩した後、発進する。林間セクションはスピード出すとまた木に激突するから、ゆっくりとツーリング以下のペースで走る。
常に後方に耳を澄まし、バイクが近づいたらすぐさま抜きやすいように脇にどける。実に模範的な周回遅れを演じつつ?すぐさまピットレーンに帰る。
やっぱここが一番落ち着くぜ!
休憩していると連隊長も休憩にやってきた。二人して何かをやり遂げた気分に浸りつつ、さわやかな休憩を取る。実際にはまだレースは継続中なのに…
ずいぶん経って熊五郎も戻ってきた。誰もコース上で見かけないからしびれを切らしたようだ。
レース観戦に来たかのような参戦中の二人を見て熊五郎は唖然としていた。
聞けば俺の写真はあまり撮れていないらしい。まあ走っている姿を見ること自体貴重なのだから、シャッターチャンスはほとんどないはずだ。ある意味まだ北海道で狐を見つける方が楽かもしれない。
再出発(try again?)
かなりの十分な休憩の後、出発する。それを悟って熊五郎も撮影に出発した。
そんなにスピードを出さなければ、疲れ方もひどくないことが分かり、ゆっくりペースで進む。実際かなり遅い。
そして問題の地点に到着。今回の作戦は、「勢いよく行くと危ねーぜ。2速のトルクを使ってじわじわ行こう」作戦である。要は「YPVS頑張ってね」作戦だ。
さて結果は、惜しいところまで行き、スタックした。でも感じはつかめた気がする。次回はいけるかも。おれってやればできる子なんじゃ。
ちなみに上の方にカメラを持つ熊五郎を発見。現場を写真に押さえられたようだ。まあ仕方ないが。
そしてコース途中の(俺専用?)お休みポイントでまた休憩。もうずいぶん体もボロボロになっていることを実感しつつまた発進。一路ピットを目指す…
もうすこし走っとけ(plus alpha)
時間は2時間近く経過していた。後1時間ちょっとある。目標周回数は4周だったが、ここでもう一周しておき、トータル5周を目指すことにし、出発する。
すでに体の節々が痛いので、力が入らない体は逆によけいな力みが無くリラックスしたライディングを見せる。 なんで普段はこうならんのじゃ。
とはいえ、岩や根っこでバイクのバランスを崩したときは、そのままヨタヨタになってしまう。
フラフラしながらも例のポイントに到着。もう感じはつかんだ(はず)。「実際大したことはないさ。見た目に驚いて 気合いが入りすぎてただけなのさ。よゆ~OKちょろいぜ。と言い聞かせて駆け抜ける」作戦で、なんとなく突撃。
エンストしつつも、ばた足で何とかクリアした。やっぱし何とかなるもんじゃん!
そして毎度の俺用道の駅!で休憩してピットまで帰り着く。やれやれ、あとはチェッカー前に飛び出せばOKじゃ。 なんとかコスとの約束である完走は果たせそうじゃぜ。
ラストラン(Goal)
時間も押し迫ってきてゴールを確認すると、ヤマハのね~ちゃんが「LAST2」を掲げとる。 そろそろ最後のおつとめが近づいたようじゃ。ガードを装着、グローブをはめ出発準備に取りかかる。
出発のタイミングを計っていると、コース上に連隊長が見えた。連隊長と最後は走ってみようかと思い、 待っていると、コース途中でストップ。なんだかしきりにキックをしている。エンストしてしまったようだ。
なかなか再スタートせずすでに「LAST1]表示になっているので、俺は出発することにした。
鬼門である例の岩場も何となく駆け抜け方が分かり、ビビリつつも無事通過。とはいえ、体はすでに限界を超えているようで、ほとんど力が入らない。コケたらバイクが起こせないかも。
超スローペースで走り、俺用サービスエリア!で休憩していると後ろから連隊長発見。その後ろについて走り出す。
連隊長もお疲れのようでスローペースなのでそれについていく。最後の追い上げとばかりに集団が追い抜いて行くが騒ぎが収まると前には連隊長が走っていてなんだかほっとする。
そして並んでゴールに到着。1,2フィニッシュ(別にトップじゃないけど)を飾る。見事完走じゃ。
レース終了(end of the day)
連隊長、俺ともに完走を果たした。俺は一周目からクラッシュし速攻でリタイヤかと思われたが、 何とか走りきることができて、えかった。
しかし俺にとってこのレースは大ハードじゃった。すでに体はかなりガタピシ状態で、 クレ556を大量に注入する必要がありそうじゃ。
連隊長も当然かなりお疲れの様子。そして熊五郎もカメラマンとして各所を移動したり、なかなか来ない被写体を待ったりで、疲れた様子じゃった。(すまんのぅ)
とっととバイクを片づけた後、レース会場をずらかる。どうせこのメンツじゃ、居残って じゃんけん大会に出ても商品ゲットは不可能じゃて。
帰りは養老渓谷に行き温泉に入る。明日以降に相当な筋肉痛が予想されるので、なるべくそれを緩和させられるようよく風呂でほぐしておく必要がある。入浴のみ可能な宿を見つけ温泉に入る。
事前に聞いていたとおり黒いお湯じゃった。そしてなんだかぬるぬるしていた。あんかけ入りか?
汗と埃を洗い流し、さっぱりした後は晩飯じゃ。連隊長、熊五郎会議により回転寿司にきまり、店に入る。
疲れてはいたが、もりもり食べる。ネタが大きめでうまかった。
すべてのイベントを終了し、帰路に就く。途中アクアラインで海ほたるに寄ってもらう。
行きしなにも寄ったらしいが俺は寝ていたのでよく知らない。せっかくのアクアラインで、ここに寄らんと話にならん。
ジュース買ったりおみやげを買ったりして、海ほたるを満喫したのち出発。そのまま高速を乗り継いで家まで帰る。
駐車場でバイクをおろして完了。連隊長と熊五郎と別れる。気をつけて帰ってね。家に帰るまでが遠足じゃからね…
翌日は体が動かず一日中横たわっていた。。。筋肉痛は三日間続いた。小さな痛みなら五日間かな。
もうすこし普段体を動かしておかなきゃと反省。