ドライブレコーダー(DV688) その5 完了編

傾斜

DV688のT-MAX向けマウンタなのだが、フロントカメラはうまく取り付け出来て満足なのだが、 DV688本体については、垂直に取付られており乗車位置から画面を見ると見降ろす状態となってしまい、 液晶の性能がよくないために、画面がよく見えない。

そんなに見るものではないのだが、せっかく見えるならきちんと見えてほしい。 なので、マウンタを改造して、もう少し仰角をつけて正面から見えるようにしてみる。

本体裏側の支えと、台座部分に角度をつければいいだけなのだが、3D-CAD上で行うには、結構難しい。結局いちから作り直すくらいの勢いで、なんとか本体に角度をつけて設置するマウントの設計が完了。

傾斜角は20°とする。乗車時での目線の見降ろし角度がだいたいそれくらいだった。これで、正面にきちんと見えて、 液晶も変な見え方にはならないはず。

実際に印刷して取り付けてみる。すると、予想していた問題が発覚。DV688本体を取付してスクリーンを取り付けようとしたら、スクリーンにDV688本体が干渉してしまう。

スクリーンにはDV688をねじ止めしない状態ですでにぶつかっており、 ねじ止めすると無理がかかりそうな状態。これはよくない。20°の角度は結構後ろに倒れてしまったようで、スクリーンとの空間が不足していた。さてどうしよう。

20°の傾斜角はわりといい線いっていて、仮乗車して画面を見てみると、液晶の変な見え方はなく、 ほぼ正面から見るような状態となった。晴天時に確認していないので、太陽光の反射がどうなるか不明なのだが、 当初の上から見下ろして液晶がよく見えない状態から考えると、かなりの改善だった。

なので、20°はそのまま活かしたい。となると、DV688の設置位置を前にずらすほか対応はない。ということで、DV688本体の位置を少し前にずらすように修正。ぱっと見わかりづらいが、数ミリほど前にずらしている。 スクリーンへの干渉はちょっとだったので、これくらい前に出せばイケる気がする

結果は、失敗。スクリーンをねじ止めしてきちんと取り付けしようとすると、少しだけ干渉してしまう。 あと数ミリだと思われるが、残念。でもマウンタの構造から、数ミリ動かすといろいろ不具合が出てしまうんだよな。

いろいろあきらめて、大胆に本体マウント位置を前及び下に大きくズラした。 本体が置かれる台座の角は少し穴が開いてしまい、向こう側が見える状態に。 でもこの程度なら本体の角がフロントカウルに干渉することは無いはず。 これでぎりぎり干渉しないでほしいところだ。

電動ドライバー

ところで、バイクでの作業に当たり各種箇所がねじ止めされているので、ドライバーを使った作業は必須なのだが、 今回ベッセルの 電ドラボール というのを購入。

ボールグリップドライバーの形をしているが、手元にスイッチがあり、ドライバー部分が正転逆転する。またボールグリップドライバーでもあるため、そのまま手でねじ回しも普通にできる。

当たり前のようなのだが、電動ドライバーに今までこの機能がなく、電動ドライバーは電動でしかねじ回しが出来なかった。これが手でもできるので、ねじ回しの最初や最後は手で行い、途中は電動といった使い方が出来て、うまく加減を行うことが可能。

なんだか普通のことなのだが、実際使ってみると便利さがよくわかる。そして軽く持ち運びも便利なので、 かなり使い勝手が良い。

充電はmicroUSB端子があるので、これを使って充電する。1Aの充電で60分で完了とのこと。連続使用時間は不明。電池容量は3.6V-800mA。コネクタは普通のUSBなので、電池切れの場合はモバイルバッテリーからも充電できる。そもそも電池切れても普通のドライバーとして使えるので、大きな問題は無いのだ。

電動ドライバーなので、ドリルのように回転が速くはなく、280min-1とのこと。(よく単位がわからない) 回転数も一定で可変ではなかったりと、プロ仕様ではないが、初心者DIYにはやさしく便利なことこの上ないはずだ。 調べてみると、連続使用時間は40分と結構な時間可能なので、1回のいろんな作業時には十分持つ容量と思われる。

電動を動かすとLEDが点灯し、先端部分を照らす。その後5秒くらいで勝手に消える。 突き詰めると不足部分はあるが、必要十分な動作であり、かなり便利。何本か欲しいところだ。

2018/12頃に発売されたようだが、かなり人気で品薄になっていたらしい。確かに一度使うとけっこうハマる。人気が出るのは当然だろう。というかほかのメーカは同様のものは出さないのかな?
これで、各種交換ビットを用意してやれば、バイク改造作業や家具組み立て作業は楽々だ!

マウンタ

さて、上記で作成したマウントだが、いざ取り付けてみると、まだ移動が甘くスクリーンへの干渉をしてしまう。 数ミリ程度なので妥協可能なのだが、せっかくの設計変更可能な3Dプリンタを使うのだから、変な妥協はしたくない。 気長に調整作業を繰り返そう。

簡単にできると思った傾斜設定も、すでに4作目。だいぶ前に位置を寄せていると思うのだが、 なかなかいい感じまでたどり着けない。

4作目を取り付けてみる。DV688取り付け台座は大きく前にせり出して、カウル前面より前に出ている。 これだけ出せば今度は大丈夫なのでは?仮止めして確認してみよう。

DV688本体取り付けで問題が発生。おまけでつけていたリングがDV688止めねじと干渉してしまい、ねじ止めできなくなった。 本体取り付け位置を下げたことにより、ねじ位置も下がってきてねじのための空間が減ってきており、 そこに余分なリングをつけたので、逆に邪魔となってしまった。

リングは小さな部品なので、急遽ペンチでもぎ取った。しょせんプラスチックなので、これくらいなら力技で処置可能。 これでひとまず空間を確保。

これで、DV688本体を設置してみる。斜め前から見ると、DV688がかなり前にせり出して設置されているのがよくわかる。 ちょっと斜めにしたいだけなのに、大変な作業だ。

これでひとまずスクリーンを取り付けてみると、問題ないと思いきや、なぜか右側のみスクリーンと干渉。 DV688本体も真ん中に取り付けているので、片方だけは起こりにくいはずなのだが、惜しいところだ。 とはいえ、スクリーンをきっちり止めてこの状態なので、かなりギリギリ。これくらいなら許容範囲かもしれない。

ということで、そろそろ何とかなりそうな5作目。毎回前にずらしつつも、位置を下げているから、結局スクリーンに当たっているのかもしれないが、 台座も斜めに下がっているので、仕方ないのだ。

DV688の本体取り付け位置はこの場所で確定にさせて、問題のあったリング部分の削除か移動、ならびにDV688ねじ止め部分の空間確保の修正を入れる。設計変更はちょっとがんばればなんとか可能。大変なのは印刷で、4時間半かかるので、基本的には1日仕事。 休日に作業すると印刷+設置確認+設計変更で、終了してしまう。

取り付け⇒完成

5作目を印刷し、休日に取り付け。いい感じに取り付け出来た。

実は台座位置修正は行っていないので、右側だけのスクリーン干渉は、前回同様残っている。 とはいえ、スクリーンをしっかりねじ止めしたときに、1mm行かない程度で当たるだけなので、これはOKとしたのだ。

乗車して運転時の目線位置から液晶画面を見ると、ちょうど自分の顔が映る感じとなるので、 画面は自分に対して正面となっているようだ。傾きとしては問題ない。

フロントカメラも、台座にセットして水平に位置合わせを実施。振動で緩む可能性もあるが、初期設定はきちんと行っておく。 ずれても携帯があれば再調整可能なはずだ。

当面はこの台座で運用をしてみよう。PLA素材で作成した台座なのだが、紫外線による劣化など、 今後は耐久試験となる。あんまり早くに劣化しないでほしいな。一応データはあるからまた再プリントすれば作れるんだけど。

カメラの傾斜

丁度良いマウンタもできて、運用を開始してみたところ、早くも問題が発生。 前側カメラについて、マウントのねじが緩んでしまうのか、カメラが上を向いてしまう。 カメラの後ろにはカメラケーブルが出ており、どうしてもこれに引っ張られてしまうようで、 カメラが上を向く。

マウンタ側での水平位置は見えているので、マウンタでカメラが必ず水平になるように、カメラ部分の支えも作ってしまおう。水平にした状態でのカメラの画像は何も問題ない。カメラを水平にしてしまって何も問題ないのだ。

CADでの設計に手直しを加え、カメラマウント部分の後ろにカメラの支え部分を用意してみた。 これで、後ろに倒れてカメラが上を向くことは無くなるはずだ。カメラケーブルのせいで後ろ側に引かれるため、 前に倒れる可能性は低い。ということで支えは後ろ側のみに用意してみた。

早速印刷して取り付けてみる。カメラの台座部分はうまくいくことはわかっており、問題なく取付完了できたのだが、 よく見てみるとなんだか変。あれ下向いてねぇ?

角度を測定してみると、15°ほど下を向いている。あれれ?CAD上では水平になるはずなんだけどなぁ。 考えても仕方なく、実際こんな状態なので、前方カメラの支え作成は失敗。 カメラが15°のお辞儀しているのは判明しているので、15°上を向かせれば水平になるはずだ。 マウント部分と支えの部分を現在の水平から15°上を向かせるように設計変更を行う。

これで新たに印刷を実施。今度はうまくいってくれよ。間違えた根本原因は考えずに、発生した事実からのみ修正を行って印刷を行ったのだが、取り付けしてみると、予定通りにほぼ水平なカメラ取付が出来た。

ドラレコ画面で状態を見ても、問題ない。そしてカメラの後ろの支えが効いて、 後ろに傾いてカメラが空を向くようなことはなくなった。改善は完了。

スクリーン取り付け後もカメラが干渉することなく、問題なし。うまく取り付けが出来た。とはいえねじが振動で緩むのは発生するのだろうから、ナットを紛失してからだと手遅れになるので、時々ねじの増し締めなど、注意は必要となるだろう。SDカード取り出しの時などチェックするようにしたい。