Bluetooth編(MPHF05)
BT81によるBluetooth接続を完成させていたが、電源の問題が難しく、 最終的には長寿命化対応を行ったが、所詮電池による運用であるため、電池(アルカリ/エネループ)を 事前準備してセッティングを行うのがどうにも面倒になり、運用しなくなってしまった。
電源だけならばとバイクの12Vから降圧して電源を作ってみたが、ライドコムとの電源共用のためか、ひどいノイズが乗り耳をふさぐレベル。逆に使えなくなる。
ナビ音声についてはあきらめていたところ、シガー差込の車用のハンズフリーを発見。 エンジンオンで電源が入り、エンジンオフで電源が切れる理想的な動作。これを試してみよう。→logitec LBT-MPHF05BK(Black)

購入
ネットで検索して、商品は楽天のジョーシンで発見。お値段\2,499円それなりに安い。ぽちっとやって早速購入。数日後には宅急便で到着。

早速開梱し実物を拝見。表面の右側にボタンが3つ(音量増減と電話のフックボタン?)後ろにはシガーコネクタがあり、90度くらい角度が変更可能。右側のボタンの脇にはUSBの口があり携帯電話などの充電が可能。またすぐその近くに小さな穴があり、マイク穴とのこと。 スピーカーは表面の左寄りにぽつぽつ穴が開いているのでそこから鳴る模様。

問題点の抽出
まずは一通り見て、問題点の洗い出しを行う。
外部入出力がない
Bluetooth音声はライドコムに乗せる必要があり、そのためにはイヤホンジャックがほしい。購入前になぜか勘違いをしており、イヤホンジャックが存在するつもりでいたのだが、何か夢でも見ていたようで、実物にはそんなジャックは存在しなかった。
説明書をくまなく見てみたが、やはり存在しなかった。夢だったようだ。電源の問題がこの機器ならクリアできるので、音声出力さえどうにかすれば、なんとかなりそうな気がする。
zumoとの接続
まずは通常動作にてzumoと接続できて音声が出るのかを確認する。 いきなりバイクでの確認は大変なので、自分の部屋での確認作業となるが、いろいろ環境準備が必要。
問題は部屋にシガーソケットが常備しているわけではないので、MPHF05の電源をどうやって確保するかだ。そこでバイクから交換した古いバッテリーと、いつか取り付けようと以前購入してあったシガーソケットを接続して12Vシガーを準備。 ここにMPHF05を差し込むと勝手に電源が入りピーピー鳴り出したので動いたようだ。ではzumo側を操作してペアリングを行う。
初期画面から右下の設定ボタンを押しメニューを出す。

メニューでBluetoothを押します。

Bluetoothメニューで、ヘッドセット接続の追加を押します。

Bluetoothの検索開始画面になるので、MPHF05を近くに置いて、準備を整えたらOKを押します。

Bluetooth機器の検索が始まるので、MPHF05側をペアリングモードにします。

MPHF05は実際には初回電源を入れたら自動でペアリング待ち状態になっている。(赤と青の点滅)。 この状態でzumoの近くに置いておきます。

zumoでMPHF05を発見したら、画面に表示されます。 MPHF05を選んで、OKを押します。(上下は近くに見つけたほかのBluetooth機器)

接続処理が開始される。

デフォルトのパスキー(1234)でチャレンジしているようだ。

実際にはパスキーはこれではないので、入力画面に切り替わる。

ここで決められたパスキーを入力。

ペアリングが成功すると、このようなメッセージが出る。

メニューに戻ると、ヘッドセット接続は、「追加」から「変更」に変わっている。

変更メニューを押してみると、選択肢にMPHF05が表示される。 切断や削除を行うときはこの画面から各種ボタンを押す。

トップメニューに戻って見ると、画面の上の方にBluetoothマークとヘッドセットマークが表示されている。 この状態だと接続していることを表示している。
zumo側から音楽を再生すると、音楽を聴くことができた。 また室内モードで行き先を決定してナビのシミュレーションをさせると、交差点が来たら音楽再生が一時停止されて案内が流れた。 問題なく使えるようだ。

とりあえず、zumoとペアリングし、音楽再生や音声案内が流れることが確認できたため、問題なく使用できることがわかった。
MPHF05の改造
携帯電話との接続は行っていないので、ハンズフリーとしての能力は調べていないが、そのような使い方はしないのでとりあえずおいておき、zumo連携はうまくいくことがわかった。
しかしスピーカから音声を流すのではなく、ライドコムへ乗せたいので、早速改造!に入る。
スピーカー出力の確保
zumoと接続して問題なく動作することが確認できた。また、zumoやMPHF05などどっちをそれぞれ電源OFF→ONにしても、 再接続されるので、エンジンのon/offでも問題なく再接続が出来そうだ。

では早速分解!開始。本体を見回したところ、どこにもねじ穴など存在しない。いろんな箇所に力をかけてみて部品が外れないかチャレンジしてみるが、分解のきっかけ箇所がどこにも存在しない。
あきらめて一部破損覚悟の分解作業に取り掛かる。横のUSBの口付近からこじ入れて表面を剥ぎ取ってみる。きれいな分解はできなさそうだ。

銀色のふちを一部破壊するのみで、分解のきっかけができた。どうやら接着剤で接着されている黒い表面のプラ板を根気よく剥がすのが正解手順だったようだ。一部破損にてプラ板剥がしに成功し、あとはねじをそれぞれはずせば分解は完了。

ねじはかなり小さく、精密ドライバーではずす必要あり(小さなプラスドライバー) ねじをはずすと表面のプラ板が取れて、内部の基盤へアクセス可能となる。 表面の白い板にはスピーカーが貼り付けられており、細いコードでつながっている。もう一組見えるコードはマイクへつながっているらしい。

改造方針だが、スピーカーへのコードを横取りし、ライドコムへ接続できるようにする。
ライドコムとの接続切断が容易にに出来るようにイヤホンコネクタをつけておくようにする。
分解した蓋やプラ板は復旧できそうなので、原形へ極力戻す。
ということで、イヤホンのメスコネクタとしてガラクタ入れから発見。 携帯電話のコネクタからイヤホンに変換するコードで100均で購入したもの。携帯電話側をぶった切り電線を取り出す。
イヤホンコネクタは蓋を通して接続する。となると蓋を通過させねばならないが、ふちに隙間はないので、 得意の?ドリルで穴を開けて貫通させる。ここにケーブルを通してやればそれなりにスマートな感じになるはず。

きれいにケーブル通し穴完成。まるで最初から穴が開いていたかのような仕上がり? ここにイヤホンコネクタのコードを通す。


イヤホンコネクタ側のケーブルとコネクタの位置のつながりを調査。メス型なのでオス型を刺してその上で導通調査。どうやら緑色がグランドで、白色がオス型コネクタの先っちょとつながる。 赤はステレオ時の先端のほうで黄色は4極時のマイクと思われる根元側っぽい。
スピーカーとはグランドとなる緑と白を接続しておく。ライドコムは確かモノラルのコネクタだったはずなので先っちょ部分とグランドがつながればいいはずだ。

さてここで、近くにあったヘッドホンをつないでみて導通チェックをしてみる。 スピーカ側とは切断されたのでMPHF05のスピーカからはもう音は鳴らない。
ヘッドホンを刺してzumoを立ち上げて音楽を鳴らすと、妙に音が大きい。スピーカ出力をそのまま使おうとすると少し出力が大きすぎるのかもしれない。ライドコムはバイクにあり試験が出来ないが、 あまり大きすぎるのも困るので、間に抵抗をかませておくことにする。
しかしどれくらいのものを入れればよいのかは実地試験になり難しいため、ちょうどあった可変抵抗を差し込むことにする。 これなら調整可能なのでなんとかなるのでは?

思いつきはよかったが抵抗器までの配線と調整可能な窓が必要。ひとまず蓋のイヤホンコネクタの反対側に穴を開けて顔を覗かせるようにする。 これで調整可能だろう。ただ裏がしっかり押さえてないので、抵抗値を変えようとドライバで押すとズレてしまうだろう。ほかに案がないので仕方なし。 大きく顔を出す必要があるので大きめの穴あけを実施。だんだんボロボロになって行く様な。

きれいに開いた穴に可変抵抗を差し込むとちょうどいいサイズ。一度調整したら後は動かすことないはずなので、大体でいいだろう。 足りない配線は追加して線を這わしたら完成。ヘッドホンでの動作試験も完了し程よく音が小さくなるのが確認できた。 ライドコムでよい音量になることを願う。

蓋をねじで閉めていき、元の状態へ戻していく。幸い壊れた箇所は少しなのでそこそこ原形に近い状態に戻りそうだ。

蓋をはめ終えたが、黒いプラ板はそのままでは使えないので、イヤホンコネクタの飛び出すところと音量調整の抵抗器の覗いているところをカットする。蓋の白いのが見えていまいちになるがやむなし。通常はシート下に隠す予定なので問題なし?

それぞれ干渉しないことを確認して黒いプラ板を貼り付け戻したら完成。そこそこ原形の趣は残っている気がする。 あとは実運用で確認だ。

とりあえず、zumoとペアリングし、音楽再生や音声案内が流れることが確認できたため、問題なく使用できることがわかった。
T-MAXへの接続
T-MAXに乗せて運用するには、T-MAX側にも電源口(シガーソケット)が必要。現在引き出しているシガーソケットから分岐してこっちにも電源を流すようにする。使用電流はたいしたことないはずなので、分岐(蛸足配線)しても問題はないだろう。
MPHF05の電源口はシガー接続固定なので、メス口を用意してやる必要がある。バイクに標準装備ではないので、当然手作りで作ってやる必要がある。ちょうど以前購入した工作用のシガーソケットがあるので、これをMPHF05用にする。

シガーソケット本体をねじると分解できて、電源コード接続金具が見える。 真ん中がプラス用で外側がマイナス用だろう。

コードの赤を真ん中(+)へ、黒を外側(-)へ接続。半田付けして収縮チューブをかぶせておく。


ケーブルを通してシガーソケットを組み立てなおせば完成。

とりあえず仮運用を行うために既存のラインから分岐して新シガーソケット用の電源ラインを確保。 これでシガーソケットにMPHF05を差し込めば運用可能。早速試験ツーリングへ出かけよう。

運用試験(1回目)
MPHF05およびシガーソケットを仮接続して実際にバイクで走ってみて試してみる。
すると、かなり音声にノイズが乗ることが判明。特にエンジン音に連動してノイズが乗っているので、 ジェネレータノイズが原因のようだ。
ライドコム電源にはレギュレータに大き目のコンデンサを載せてノイズ対策をしたが、 今回は電源側に直結でMPHF05がつながっており、かなりノイズを拾っている様子。ライドコムでノイズなく運用していたため、バイクの電源の汚さを忘れていた。ではノイズ低減のためにコンデンサを差し込んでみよう。
ノイズ低減装置の作成。まずは使用部品。ユニバーサル基盤。コンデンサをここに乗っける。一番小さいのを選択。

今回のメイン部品となるコンデンサ。1000uFのものがあったので3つほど拝借。 ほかにも廃棄部品から取得したものがあったのだが、耐電圧不足で役に立たない。これは25Vまで。とりあえずこいつらで何とかなることを期待。

根元に逆流防止用にダイオードを入れておく。3Aのものがあったので少し大きいのだがつないでおく。 ドロップ電圧は0.6くらいなので影響ないはず。

通電確認用にLEDをつけておく。3mm砲弾型で、10mA用の輝度は低くかなりしょぼめなものだが、 通電が見えればいいだけなのでこれでよい。

LED点灯のための電流計算がバッテリーは電源電圧が変動するため、めんどくさいのでCRD(定電流装置)を使用。 10mA用。これでLEDを定格動作で光らせられる。

追加のコンデンサたち。余っているコンデンサが大量にあったので、開いている場所に刺さるだけ差してみる。1つ47uFと容量は小さいので気持ち程度の追加だ。(20個で大きいヤツ1個分相当)

本運用に備え、ギボシ端子を装備しておく。現在の電源ラインにこいつで中継させて分岐という作戦。

あとは、電源用コード。0.8mmのそこそこ太めのもの。今回の使用目的には十分な容量。

組み立て開始。
まずはメインのコンデンサを配置。通常小さい部品から組み立てが基本だが、全体構成が決まってない中の作成なので、メイン部品から配置を決めていく。がんばれば4つ目のコンデンサが乗りそうだが3つで勘弁しておく。

大きなコンデンサの横のスペースを使って、小さなコンデンサを刺さるだけ配置してみる。7本ほど刺してみた。あと下側には通電確認用のLEDとCRDを配置。
電源の根元に配置のダイオードは基盤の裏側に設置。ダイオードの足が太くて基盤の穴に刺さらないので、 直接裏側にハンダ接続した。部品を配置してなんとなくラインをハンダ付けして行き、完成。

ひとまず完成。それぞれのコードの先にはギボシをつけてある。 写真の左下が入力側。左上が直接出力。間に何もなく直結している。そして右上がコンデンサをかました出力となる。 これでノイズがかなり緩和されることを期待。

運用試験(2回目)
コンデンサを差し込んだ電源を作成し、そこにシガーソケットをつないでMPHF05を接続。 その結果、小さなノイズは残っているが何とか無視できるレベルに押さえられた。これで何とか運用が出来そうだ。