EL化プロジェクト開始
ELメータにチャレンジしてみる。HP見ていたら、ELメータの改造というのを発見。ELシートに興味があったので、 秋月電子でELシートを購入。角電池を繋いでみると、 シートが全面発光。なかなかおもしろい。
その後いろんなHPを探して、作成法を調べる。バイクや、車などいろんなELメータがあった。実はワイズギアからもELメータはTMAX用が出ているが、やはり自分デザインしたいので、 自作を決行。うまく作れるといいが。
材料
材料は以下の通り。
まずは、ELシート。これが無くては何にもならない。秋月電子で2枚購入。白発光を注文したが、シートはピンク色。 発光させると緑がかった色になる。まあ薄緑がいかにもELという感じでいいかな。
付属しているのは、角電池とインバータと呼ばれる物。それから角電池用の接続コード。 これらを繋ぐだけで発光させることが出来る。

定電圧装置(ボリュームで可変可能)という物が必要らしく、一緒に秋月で購入。ボリュームで明るさが変更できるようなので、あると便利かも。明るすぎたとき明かりを落とすことが出来る。 キットなので、自分で作る必要がある。まあ何とかなるでしょう。

ELシートに電池とインバータが付いているので、発光させてみた。写真を見ると確かに白く発光している。実際にはちょっと緑がかった感じなんだけどね。 面で発光しているのでなんだかおもしろい。これが自由に切り取っても発光するのはなんだか不思議だ。

組立(定電圧装置)
説明書を見ながら組立開始。基本的には指定通りに半田付けしていくだけ。でも、小さな部品からやっていかないと、部品同士が邪魔になって大変なことに。
あと、あらかじめ 部品の位置あわせをしておかないと、やはり部品が干渉しあって配置できなくなることも。夏の暑い中でのはんだ付けなので、裸で作業中(^^;

完成した定電圧装置。なんかハネのようなヒートシンクが付いているということは、発熱するのだろう。100均ケースに入れて使用予定だが、溶けたりしないかな?
変化させるボリューム部分は未接続。実車合わせしてハンドル近くに 取り付け予定。ボリューム用のつまみは付属していなかったので、買ってこなきゃ。しかしうまくできているのかが心配だ。テストをするにも環境がない。いきなり本番チェックかな?

メーター取り外し
TMAXからメーターを取り外す。最初にミラーを外す。ミラーのゴムをめくるとナットが見えるので、 10mmのレンチで外す。当然両方とも外す。

フロントグリルを外すためにメータ脇のねじを外す。ここは6角レンチが必要。 やはり盗難を考えて、見える位置にあるねじは、通常の+ねじではなく、あまり見ない六角ねじにしてあるようだ。(予想) ここも両サイドにあるので両方とも外す。

ねじを外した後、上に上げるようにすると、数カ所の引っかかりがはずれて フロントグリルがはずれていく。真ん中のところはゴムパッキンに刺さるようになっているので、 最後にここを引っこ抜くと取れる。

これで、フロントグリルの取り外し完了。

今度はスクリーンとその下のカバーを外す。 左右2つのねじと真ん中のねじを外すと、スクリーンとカバーが一緒に取れる。 別々に外さなくてもよい。

ただ、外すときミラーのステーと干渉する。ちょっと内側に曲げてやりながら外さないと外れない。 すこしやっかい。
先にメーターカバーのねじを外しておくとメーター上部に遊びが出来るので、スクリーンが外しやすくなる。スクリーンは見える部分で傷が付くとかっこわるいので慎重に外す。

なんとか外すことに成功したスクリーン。

するとメーター部分が見える。写真の白い部分がそう。 メーターアッセンブリで一体になっているので、一式全部を取り外すことが可能だった。

メーターへの信号線はこのコネクタ1個で全てつながっていた。 ちなみにこれを外すと、時計、トリップ1,2が全てリセットされる。ということは、 キーを抜いていてもバッテリーからメモリ保持用の電気が来ているのだろう。 長期に放置しているとバッテリーが上がりそうだ。(どれぐらい長期かわからないが)

メーターはメーターカバーと4つのねじで止まっているので外す。メーターの上2つは簡単に外せるが、 下の2つは奥になるので、メーターカバーを外して、持ち上げた状態で外す必要がある。
小さなドライバーで外すこともできるかもしれないが、ねじをなめるだろうから、やらない方がよさそう。 ちなみにメーターカバーを外してみると、イモビライザーの表示ランプのコードが来ていて、 カバーを取り外すことは出来なかった。ちょっと邪魔。

メーター一式を取り去った状態のTMAX。なんかドンガラになってしまった。
ちなみに写真ではハンドルカバーも外している。これから、メーター内部の製作作業に入り、バイクからメーターは長時間外しっぱなしなので、コネクタ部にはビニールをかぶせて、防水対策をしておく。 (左の穴から見えるビニールがそう) ちょうどこの後台風が来たので、ちゃんと処理しておいて良かった。

メーター作成
外してきたメータアッセンブリ一式。表側の5つのねじを外すと透明なカバーを外すことが出来る。 上のスポンジに隠れて2つねじがあるので注意。

上の2つのねじは、スポンジに隠れているのだが、スポンジをめくれば出てくる。 しかしスポンジの接着剤がねじにも付いていて、やっかいなことになっていた。少々スポンジを引きちぎって、ねじを外した。

透明なプラスチックカバーを外すとメーターのお出ましだ。こうやってみるとなんか単純。メーターの針も外そうと試みるが、どうも壊れそうなのであきらめる。
このままなるべく正面からデジカメで写真を撮り、 採寸する。ちょっと角度がずれると、ゆがんだ状態になるのでなかなか難しい。

正面から撮影した写真をもとに、Excelを使ってメーターをデザインする。本当なら、ドロー系ソフトか、CADソフトなど使うといい感じに出来るのだろうが、 そんなソフトはないし、あっても使えない。
一番使い慣れているExcelの図形で全て作成する。 ELメータを自作している人はだいたいそれなりのソフトを使用して作成している様子。 Excelは俺だけだろうか?

全体の位置合わせから、ボタンの位置、スピードの目盛りなど、写真→実際にあわせて確認を幾度となく繰り返し、やっとほとんどズレがない図を完成。
ここまでたどり着くまでに10枚くらいは作成して位置合わせを行った。1枚1枚いちいち穴を開けてやらなければ位置合わせできないので、かなりめんどくさい。しかも適当な穴開けだと、位置取りがちゃんと出来ないし。 会社が終わってから、家で作業を行うことを繰り返し、一週間かかってしまった。

何とか最終版ができあがり、カバーまでかぶせて確認。 問題なさそうだ。ちなみにプリンタの青のインクが切れてしまい、ちゃんと印刷されない。正式版を作成するまでにはインクを交換しなくては。
今回、うまく円を切り抜くためにコンパスカッターという物を購入。 通常の円を描くコンパスの鉛筆側が、カッターの刃になっている物だ。 実際に使ってみると案外うまく切り抜くのは難しく、センターがずれたりしてなぜか渦巻状にカットされたりと大変だったが、さすがに何回も使用していると慣れてきた。 本番では紙よりかなり分厚いELシートをカットする必要があるがうまくできるだろうか。

位置合わせが完了し、プリンタインク、光沢ホワイトフィルム、保護用の艶消し透明フィルム を準備して、本番印刷。ちなみにデザインはほぼ現行の物を踏襲。しかし、メーターはなぜか300kmまで。 160km以降のスケールがおかしいがたぶんそんなには出ない(出さない)だろうから問題ないだろう。 タコの方にはR5の自作ロゴを入れてみた。

作成したシートをおおざっぱに切り取って、ELシートに張り付ける。 この段階で、透明シート、ELシートと気泡がいくつか出来ているが、それぞれのシートは粘着が強く貼り直しがきかないので、 穴あけで気泡を逃がして対応。でもうまく抜けずに結構汚い。なかなか難しいな。

ELシートごとメーターサイズに合わせてカット開始。ELシートは案外簡単にカットでき、 よかった。ただ、細かい穴あけはやはり難しくかなり汚くなる。 最後に穴あけの縁をヤスリがけしてきれいに仕上げた。やすりがけはなかなかいい手段だ。

切り取り完了したメーター。実はタコメーター側は電極が中央の液晶部分にかぶってしまうことがわかり、 別途付属の電極を付け直したのだが、これが難しい。
電極はちっちゃくなかなか刺さってくれない。何とかペンチで噛みつかせても、 ちょっとしたことで外れてしまう。噛みつきがわるいからと、ELシートに穴を開けて、そこに電極を通してみると、テスト点灯時そこから火花と煙が出始めた。
どうやら貫通させるのは駄目らしい。いったいどういう仕組みで出来ているのやら。 あと、点灯テストしているとき、インバータに手が触れて感電した。ものすごいシビレた。
角電池9Vの威力ではなく尋常ではない電圧のようだった。たぶんスタンガンのようにかなりの高電圧が出ている気がする。 心臓が止まったかと思った。(実は電気ショックで前より元気になった?)

シートができあがり、点灯確認もできたので、メーターパネルへのセットを開始するがその前に、 メーター裏のカバーを外してみる。

外してみるとこんな感じ。基盤が丸出し。所々に見えるこのゴムの位置にウエッジ球がはまっていて、 ランプとなっているらしい。ここもLED化する手もあるが、どうしよう?
結構狭そうだから小さなウエッジ球 代わりを作成しなくてはいけない。かなり難しそうだ。というか、ELにしたら不要か?

電極位置、コードの配線に苦労したが、なんとかカバーが収まった。配線は裏のコネクタまでのばしているので、そこから出す予定。というかそこ以外は完全密閉だから、コードを出そうとしたらカバーに穴を開けることになる。さすがにそれは防水面から考えても出来ない。
一応この状態でも点灯したから、断線などの問題もなさそうだ。 ちなみにELシートとメーターは各種穴で固定されているので、特に両面テープなどでの固定は行っていない。 それでもぐらつくことなく固定されている。また、メーターの針を動かしてみたが、とくに引っかかった様子もないので、問題なさそうだ。(センターの穴は大きめにしたので干渉していないはずだ)
また、下の本来のメーターと印刷した目盛りの位置を確認したが、ズレなく良い位置に納まっている。 目視確認だが、誤差は1mm以下だろう。

メーター取り付け
完成したメーターをバイクに取り付ける。取り外してからかなりたった後に取り付けとなった。 メーター位置合わせで時間を食ったためだが、しょうがないだろう。
EL用コードはゴムパッキンの脇から取り出す。これなら、パッキンの防水も生きており、問題なさそうだ。 (写真赤青ライン)

さて、ここで、電源をどこから取ればいいのかがわからない。 メーター、定電圧装置、と取り付け終わり、あとは根元となる電源への接続だが、バッテリーから直接だと、キーに関係なくELが点きっぱなしで、すぐにバッテリーが上がってしまう。
しかもバッテリーは後部座席下なので、遠くてコードが届かないし、配線も大変。かといって、キーに連動した電源がどれだかさっぱりわからない。
ハンドルカバーを開けるとたくさんのコードが出てくるが、どれが何かわからず、 お手上げ。フロントカバーにあったコネクタをたどってみるとヘッドライトにつながっているらしく、これならキーに連動しているので、ここから電源を拝借することにした。

でも、この緑のコネクタは実はハイビーム側であったため、ライトをハイビームかパッシングしたときだけ、 ELシートが発光する状態になった。大失敗。
夜間の通常状態はこんな感じ。液晶部分と、メータの針だけ光っている。案外これはこれでいいかも。 (たまになら)

晴天下での表示状態を比較。シートは白色発光なので、日中は光っていることがわからない。でも写真をよく見るとちょっと違いがわかる?(写真も反射してわかりにくい) 中央の液晶が点いているときがEL点灯状態。メーターの周りが橙色に見えるだけだから、 本来のランプが見えているだけかな。

夜での発光状態。当然ハイビームで確認しているので、タコ側のハイビームランプが点灯中。 白色発光なので、メーターだけ見るとなんだか昼間っぽい。
メーターだけはあたりが暗くなっても昼間のままだ。 昼と夜とで変化がないのも寂しいが、メーターデザインがバックカラーで変わることがないのでいいかも。

明るさ調整のボリュームはハンドルカバーを加工(穴開け)して、とりつけた。ほとんどいじることはないはずなので、どうでもいい場所に取り付けた。 本当はメーターの下のボックスあたりに取り付けたかったが、ここに穴を開けるのは勇気がいるのでやめた。 ハンドルカバーは最悪大失敗時は外してしまって、バーハンドルにしてしまえばいいと思っているので、 結構チャレンジできる。

故障?(2005/12/17)
走行中に突然点滅を始めたりと、最近不調になってきたELメーターだったが、 とうとう右側(タコメータ)のELが点灯しなくなった。 このままでは具合悪いので、早速修理をすることに。といってもどこが壊れたのかを見つけてからだが。

とりあえず、メーターを外す。このあたりは既に手慣れたものだ。取り外したまま9V電池で点灯試験をするが、 やはり右側は点灯してくれない。 そこで、メーターを開けてみると、右側のELシートの接点が勝手に外れた。どうやら接点の接触不良が問題だったようだ。

接点のプラグの位置のシートは焦げたような跡があり、金属片にも焦げが付いている。 そして、シートをめくるとメーターにも焦げ跡が残っていた。(赤い矢印)
タコメータ側の接点は、当初位置が悪かったので、後付で接点を付け直した。しかしその際苦労してなかなか うまくつかなかった。無理やり穴を開けて接続すると、火花と煙が出たこともあった。
今回も接点の接触不良でそんな状態になり、接点が焦げて切断されてしまったようだ。 まあ火を噴いたりしなくてよかった。

さて、焦げた接点はあきらめるとしても、新たな接点を付ける必要がある。 いろいろチェックしていたら、もう片方の接点も取れてしまい、結局2個とも付け直すことになった。 新たな接点金具を用意し、慎重にELシートに打ち付ける。
なぜかスキルが上がっており、2個とも 問題なく一発で取り付けることに成功した。しかもなかなかいい感じに。 前回あんなに失敗したのは気持ちに余裕がなかったのだろうか?

新たな接点を利用してまずは点灯試験。真っ暗な中で点灯させてみると全く問題なし。写真は暗闇の中で点灯中の写真だが、なんかわかりづらい。白色はELっぽくないんだよね。 やっぱ青緑系がいいのかな?確かLanzaはそうだった。

さて、できあがったら、メーターパネルに組み込んで、完成。バイクに取り付ければ 元通りだ。軽く走行試験をしてみたが、全く問題なかった。点滅が起きたのは、接点の接触不要が起き始めた合図だったようだ。今度点滅が始まったら、早めに状態チェックを行うとしよう。

おまけ
メーターを開けたついでに、裏から見える黒いやつをいじってみると、軽くひねるだけで取れた。ねじ込んであるだけのランプだった。ウェッジ球なのでこれは簡単にLED化できそうだ。
ただ、メーターをEL化し、内部のランプがいっさい役立っていない今、ここをLED化する事に何もメリットがないことに気づき、断念。

今回ELシートの寿命かと思い、新しいシートを準備していた。9Vが定格だと思うのだが、 (9V電池を使うから)普段はほぼ12Vで使用している。(テスターで測ったらそれくらい出ていた。)
つまり定格オーバーで使用していることになる。だからもう寿命が来たかと思った。でもホワイトフィルムが厚かったのか、それくらいで 動かさないと、あんまり明るくないのだ。
今回は追加用接点金具のみ借用し、使用した。まあこれはこれで、ELメーターVer2用としてとっておこう。 新たなデザインを検討せねば。フッフッフ。
