HIDキット購入
近頃の車はHIDが多く、バイクも結構HIDを装着しているものをよく見る。TMAX530もワイズギアより専用のHIDが出ている。しかし5万以上と結構なお値段。両目とも交換すると10万越えだ。
さすがにこれは手が出ないのだが、ネットで探すと社外品で安いものが結構出ている。全部中国製のようだが、スフィアライトというところで一応保証のついている商品があり、値段も1万ちょっとと純正に比べれば格安だったので、勝負をかけてみることにした。

いつもネット購入は楽天が多く、楽天に代理店があったのでそこからH11のHIDを購入。W数がいくつかあったがあまり値段が変わらないので、一番明るい55Wを購入。
あまりに安いところだしやけに宣伝が派手なので危なそうと思いつつ注文したが、問題なく商品は到着。包装内容も厳重にしてあり、かなり気を使った梱包をしていた。バルブ(HIDではバーナー)部分も専用ケースで保護してあり、心配したわりには案外いいところだったようだ。

商品のでかいほうはバラスト。HID点灯用の高電圧を出すところと思われる。かなり小さいバラストということで大きく宣伝していたが、初めてのHIDなのでこれが小さいものなのかはよくわかっていない。 しかしバイクの取付け箇所には大体余裕が無いので小さいに越したことはない。

こちらがバーナーと呼ばれるバルブ部分。バーナーってことは火がつく感じ?HIDとは、何かを燃やすのだろうか。まあ白熱灯も中のフィラメントが燃えてるようなものなので、同じなのかも。いや違うな。HIDの点灯は蛍光灯っぽい。まあ明るければなんでもいいや。

空焼き
バイクへの取り付けを前に、HIDは空焼きという儀式がいるらしい。いろいろ調べてみると必要とか不要とか出てくるが、単に点灯試験をしてみたいので確認ついでに空焼きというやつをしてみる。
バイク用バッテリーに配線どおりケーブルをつないで、点灯チャレンジ。後になって気がついたが、もう少し回りに気を使って試験すればよかった。高熱でカーテンに火がついたら大変だった。
かなり明るいことを考慮して昼間にベランダ前で実施。夜に明るいものを急に見ると目に悪いと思っての作戦だ。そもそも点灯しないという結果も考えられるのだが、いろんな想定をしておくのは悪いことではない。

さて、コードをつないで点灯。写真が夜になったようだがそうではなくHIDが明るくてこんな写真になったのだ。

とはいえ、最初の30秒くらいはHIDの点灯は若干暗かった。色も少し白くは無かったかな。なんだこの程度なら直視できるなと思っていたがだんだん明るくなっていき、すごくまぶしくなった。

この作業が空焼きなのかもしれない。2~3分くらい点灯させてみて問題なく点灯し続けることがわかったので完了。さすがにバーナー部分は熱い。バラストもだいぶ暖かくなっている。周りには熱に弱いものを置かないようにしないと。
装着
HIDの点灯確認が出来たので、バイクへの取り付けを行う。TMAX530は向かって右側のライトがロービームで、左側がハイビーム。今回は向かって右側のロービーム側のみ交換。ハイビームはほぼ使うことが無いのでここはハロゲンバルブのままにしておく。

フロントカウルを外すと奥に見える緑の部品が今回のターゲット。H11というコネクタは今まで触ったことが無いのでまずは取り外し方が不明。まずはこいつとの格闘が始まる。

はい、取れました!。説明だと一瞬だが、実際にはここまで1時間ほど炎天下の中バルブと格闘。
どうやら正解は、
- ゴムパッキンを外す。
- バルブを回転させる。
- 外れた。
が正しかった。最初はぐいぐいと後ろに抜けないか引っ張っていたが、引っかかり具合からどうも違うっぽい。
今度はバルブを固定している針金があるはずと(H4だとそんなのがあった)手探りで探しまくるがそれらしきものは無し。
う~ん後は回転かと、HID側のバルブの口金を見ながら試行錯誤してやっと回転してくれた。このまわすのもかなり力が必要で、翌日、指が筋肉痛になるほど。
取れてしまえば簡単なのだが、もう少し初心者向けのはずし方説明もつけていて欲しい。

取り外しに成功した標準バルブ。ソケットもツメを広げて外せば簡単に外れる。
広いところで構造を見れば簡単に外せるソケットも、バイクの中で見えない状況だとさっぱりわからずソケットも外せなかった。
次からは簡単に作業できそうだが、次はほぼ来ない。このバルブは非常用に保存予定。

さて、次は大物となるバラストの配置検討。ABS車だとフロント部分にABS用の機械があるらしいが、なし車なので空間は十分にある。
前回配線のナビケーブルをどかしながら一番いい場所にバラストを陣取らせる。付属のバラスト固定ステーは無駄に長いので邪魔となるためタイラップのみで固定する。

タイラップの熱劣化が少し心配なので時々確認するようにしよう。回りのケーブルも一緒に固定していくのでバラスト本体固定のタイラップが切れてもすぐにバラストが落下となることはない。
バラストを仮置して結線を行う。ここで問題発生。既存のH11コネクタに接続する箇所はどうやらただのピンの状態。H11用コネクタは付属しておらず説明書を見てもコネクタにピンを刺せとのこと。
その通りにピンを刺すが、どう考えてもこのままではピンが抜けかけてショートするとか、防水が一切ないのでコネクタがだめになるとか、ちょっとやばい状態。

早急に対策をしておかないと駄目だな。H11用のHIDを購入したんだからコネクタもきちんとつけておいて欲しい。
仮接続を終えて点灯確認。TMAX530はキーをひねるだけではヘッドライトは点灯せず、エンジンをかける必要がある。比較のためにハイビームも一緒に点灯させて確認。ハイビームにするとハイ+ローで点灯する。

写真の位置だとロービームは光が来ない位置なので暗く見えるが、十分に明るく点灯している。1分くらい点灯させてみたが、点滅や消灯することなく維持してくれた。問題はなさそうだ。
実車での点灯確認も無事確認できたため、本取付けにかかる。バラストやコード類はタイラップで固定。少々の振動では外れないようにしておく。
位置もバラストともうひとつの小さめの箱が綺麗に収まったので、いい感じに固定できた。

懸念事項である丸出しコネクタについては、ビニールテープでの絶縁&抜け防止および防水対策とする。
近いうちにH11のコネクタを購入してきちんと接続するように修正しよう。ヘッドライト用のゴムパッキンも戻し、フロントカウルを戻して完了。少し試走に出てみたが、問題はなさそう。

夜になって点灯確認を実施。乗車して発光状態を撮影。上のほうに光が行ってないので、ロービームとしてはきちんと働いているようだ。ハロゲンの段階での光軸撮影をしていないので、正解位置が不明だが、まあ大丈夫かな。

このまま少しナイトドライブに出てみた。すると対向車からパッシングを受けることは無かったが、前の車は避けがち。 どうも後ろにつかれるとまぶしいと思われる。通常2人乗車なので少し光軸は上に向いてしまう。それに加えて一番明るい55WのHIDなので、まぶしいのかもしれない。
ロービームだけでも光軸を少し下げよう。ちなみにかなり暗い狭い道に入るとやたら明るく照らした。やっぱりHIDはすごいな。
光軸調整
どうやら光軸調整をする必要がある。単純にバルブを交換しただけなのでそのままでいいはずなのだが、どうも前の車がやけに避けたりするので、光軸が上向きの気がする。
対向車からのパッシングはないのでそれほどひどい上向きではないと思うが、明るさが格段によくなっているので、結構まぶしいのかもしれない。
また2人乗りがメインであるため後ろのサスが沈んでおり、ライトは上方向に向いてしまう。周りに迷惑を与えるのはよくないので、光軸調整を行う

ネットを調べてみるが、調整方法は不明。取説を調べてみるが記載無し。たぶん取付けネジのどれかを締めたり緩めたりで調整可能なはずなのだが、どうもわからない。あきらめてYSPへ持ち込む

光軸調整には2000円ほどかかるとのことだったが、それでお願いをする。
専用の機械で現在の状態を確認すると若干の上向きとのこと。最大限下まで下げてもらい2人乗りでもそんなに上に向かないように調整してもらう。
やはり調整はネジを締めればよく、そのネジはライトのすぐ右上にあった。でも裏側から調整が必要で、 少し面倒。一度調整してもらえれば後は変更しなくていいはずなので全部お任せしておく。

光軸調整後、試走のためナイトラン。車の後についてみるが、後ろを気にするドライバーじゃなきゃ避けたりしないので、どれくらいまぶしいのかは不明。ただし前の車に写る光軸のあとは前回よりも下にある気がする。

車道に出て試してみると光軸の上限が前の車のバンパーあたりに行くので、だいぶ下に下げられたようだ。
これなら前の車のバックミラーに直接光が当たることも無く、ひどいまぶしさを与えることはないだろう。ずいぶんと安いHIDだったが、明るさもかなり明るく、今のところまったく問題はない。
あとは耐久性がどれくらいあるかといったところだろうか。突然夜に切れたりすると怖いのでそうならないよう願いたい。

カプラ
バイク側カプラ部分とHIDの接続がピン刺しのみでテープ巻き対応なので、運用中に外れたりショートしたりなど不安が残る。
きちんとしたカプラでの接続を行っておきたいので、H11のカプラを探すが、カプラのみの販売はバイク屋も車の用品屋も探したがなかった。結局ネットでカプラのみを購入(300円)
やっぱり最初からわかっていればHIDキットと一緒に購入したのに。売っていたのは2個セットしかなかったのでこれを購入。通常車は2つライトがあるので2個セットなのだろう。1つしかいらないのだが、まあ失敗したときのために2つあってもいいだろう。

購入したカプラに付属の防水用のゴムパッキンをまずはコードに装着。写真の茶色い耳栓のようなやつをはめる。接続ピンは比べてみると同じものが最初からHIDについているのでそのまま使う。
このパッキンのおかげで金属部分に水が流入するのを防ぐようだ。

H11カプラ同士のつめ位置を確認して接続の向きを確認。そしてプラス側の線をどっちに刺しておけばいいかを確認しておく。
そのあと今度はカプラにピンを刺すがこれもピンの引っかかり側とカプラの引っかかり側を確認して向きを合わせて差し込む。バイクの狭い場所で指の感覚のみで作業を行うが、無理な作業ではないのでなんとなく可能。2本とも間違いなくピンを差し込むことが出来た。

ここまでできたら後は簡単。バイク側のH11カプラとHID側の今回作成カプラを向きを合わせて接続。これで簡単に抜ける心配も無くなり、ショートや水問題も無くなった。安心してバイクに乗れる。

何とか完成したHIDの装着。やはり以前のハロゲンと比べるとかなりの明るさだ。真っ暗な山道になどに行ってしまった場合にはかなり役立つことだろう。
初めてのHIDで格安品ではあったが、ひとまずうまく運用出来そうでよかった。あとはいつ壊れるかといったところ。 ハロゲンよりは長持ちするはずなのだが、果たして中国クオリティはどれほどやら。
