印刷物を照らす
印刷中の途中の状態は周りからのぞき込めば見えないことは無いが、エクストルーダが邪魔をしており見ずらい。特に影になりがちで暗くなり見えない。 印刷が最優先で、見やすさは二の次なので、仕方は無いが、印刷のタイムラプスも撮影されているので、 ある程度きれいなほうがよい。
内部照明のLEDだけでは、照らしずらい部分があるので、エクストルーダにも照明をつけたい。 特に下側に印刷中の印刷物を照らす感じにしたい。

移動するエクストルーダ部分にはあまり重りは載せたくないのだが、近い部分だけ照らせればいいので、 何かちょっとだけ照明をつけたいのだ。
テープLED
X-ONE2は、24Vで動作しており、電源を取り出そうとすると、24Vとなる。 LEDの取り付けに悩んでいたが、最近はテープ型LEDがたくさん種類があり、 24V対応のものも揃っているので、これを使ってみることとした。
テープLEDは12V対応のものが多いようで、車への取り付けも考慮しているのだろうか。 しかしトラック系は24Vなので、24V版もそれなりにある。 その中から明るそうな3チップの防水タイプを選んでみる。 うまく使えるとよいのだが。

とりあえず購入してみた24V対応のテープLED。防水タイプの白色、30cmx2本で540円と、まあ手が出しやすい値段。 テープ型なので電源をつなげば点灯するはずで、電流制御などを考えなくてよいため便利だが、テープがうまくフィットするかが心配。 さてどうなるやら。

取り付け(失敗編)
30cmのサイズなのだが、途中でカットできる箇所があり、長くはいらないはずなので、最小サイズにカットする。 6LEDの長さとなった。カット後の切れ端も、接点に電線をはんだ付けなどすれば利用可能。 逆にカットした先っぽにも電気接点があるので、ショートしないようにゴム収縮チューブをかぶせてガードしておく。 これをエクストルーダ下面の両端に取り付けたいと思う。

電源は冷却ファンから採取する。冷却ファンが壊れて交換したとき、コネクタを取り付けたので、このコネクタから分岐を作り、 24Vを取り出す。そんなに電流は流れないと思うので、冷却ファンの電線のままで十分だろう。

では、3Dプリンタ側の作業開始。まずはエクストルーダを取り外し、基台のみとする。ここに取り付けを行う。

LEDテープをなんとなく基台の下に配置。こんな感じで取り付けられるといいな。 台の下にはX軸移動のベルトが通っており、ここには触れないようにしないといけない。 左右移動の際、変な抵抗になってはいけないのだ。テープLEDはぐにゃぐにゃなので、垂らした感じにして、 ベルトに当たらないようにすればいいのかな?

左右のベアリングあたりに取り付けるといい感じがするので、ここに貼り付けてみることとする。 テープLEDの裏面は両面テープとなっているので、これで取り付ければよい。

が、貼り付けには適さないでこぼこエリアと、肝心のベアリングは表面がオイリーで、まったく接着を受け付けない。 両面テープによる貼り付けは、まったく無理。最悪ちょっとくっついたとしてもこの粘着具合では、印刷途中で落下は必至。
とりあえず両面テープは役に立たないことが判明したが、このままだとごみがついて面倒なので、 両面テープにマスキングテープを貼り付けて、粘着部分を無効化。 う~ん、テープ貼り付けるだけで終わりのつもりが、どうやら難工事になりそうだ。

磁力
取り付けがかなり難易度が高いことが判明し、悩んでいたところ、ふと近くにあった磁石に目が留まる。 試してみると、先ほどの基台の下側のベアリングは、磁石でくっつくので、両面テープによる接着ではなく、 磁石による接着としてみよう。

100均で購入した強力磁石をテープLEDの先端にゴム収縮チューブで固定。テープLEDは防水のための透明シリコンコーティングがあるため、 ゴムチューブはしっかり引っ掛かり固定される。うまく先端に磁石を固定させることができた。

それなりに強力な磁石だったので、かなりしっかりとベアリング部分にくっついた。逆にベアリングの動作に支障が出ないか心配だ。 これを後ろ側から引っ張ってテンションをかけて、基台後ろにテープで止めれば、いい感じに仕上がった。うまく出来たかな?

エクストルーダを仮置きしてみると、いい感じかもしれない。射出口が近くヒートブロックのそばとなるので、 テープLEDは熱にさらされる。もしかすると溶けたりするかも。そもそもLEDに熱は良くないのだけどしょうがない。

追加と削除
大体いい位置が決まってきた。磁力はかなり強く、テープLEDをしっかり引っ張っても外れないので、 しっかりテンションをかけて、まっすぐな状態で取り付けようと思うが、今度は後ろ側の貼り付けテープが弱い。 マステで貼り付けるがテープLEDの力は強く、あまりしっかり固定できない。
そんな時、磁石が余っているのに目がついた。くっつくベアリングは奥側にもあるので、 手前と奥と両方くっつければいいのでは。ゴム収縮チューブをかぶせると、LEDを覆うので使わないようにしたが、 ここは明るさより、しっかり取り付けるほうが優先だ。ということで、ちょうど奥位置に合わせて、 磁石を取り付ける。ゴム収縮チューブが磁石を入れてちょうどよいサイズなので、かなりしっかり取り付けられる。

ということで、マステ貼り付けなんかより、しっかりとLEDの取り付けが結果的にできた。 しかも、いつでも取り付け取り外し可能といったおまけ機能付き。

なかなかいい結果に喜んでいると、最終取り付けで問題発覚。 エクストルーダの左側には射出後のプラを冷ますファンのダクトがあった。 これがテープLEDと干渉するのだ。そういえばこれあったな。どうしよう?

この冷却ダクトは印刷後のタレを防ぐために重要なので、LEDごときのために外すわけにはいかない。 何とか、上をまたいで大丈夫にならないかと、チャレンジしてみる。が、ダクト自体かなりぎりぎりの位置なので、 テープLEDが入る隙間はなく、射出口ノズルよりLEDが下の位置になりそうだ。

最後に大きな問題が見つかってしまい、対処法がないので、しょうがなく片方のテープLEDは、諦めることとした。 印刷に影響を与えないことは絶対条件なので、今のやり方ではどうしようもない。片側テープLEDでも、十分照らせそうなので、 これで満足しておこう。

試しに印刷を行ってみると、今まで暗かったエクストルーダの下側が少し照らされていい感じになっている。 LEDが斜めに照らしてくれるとベストだが、贅沢は言えない。タイムラプスの動画も、印刷途中のものが、よく見えるようになり、 わかりやすくなった。当初の目的は十分に達成したようだ。

熱のかかる部分なので、今後運用してみて問題ないかチェックをしていこう。防水なので水には強いが、 熱には弱いはず。溶けたりしないか要注意だ。