ねじの規格
ねじについては、規格で色々と決まっており、サイズが確定している。 以下に詳しく解説してあった。
そして、Fusion360にはねじ規格似合わせてネジを切ってくれる機能がある。

各規格に合わせて設定してくれるので、楽だと思っていたが、実際にそれを3Dプリントしてみると、うまくハマらない。 どうやら3Dプリントで少々縮んでしまい、穴が小さくなってしまうようだ。では、実際にネジを使う場合に、どんな穴を開ければネジにマッチするかを実験しておこう。
ネジ穴調査
まずはよく使うネジとしては、ミリネジの3mm~5mmといったところ。M3,M4,M5といった表記がされているやつだ。 Fusion360でもデフォルトで「ISOメートルプロファイル」というのが選ばれるので、ミリネジ規格がデフォルトとなっている。

サイズも0.25mm(多分印刷不能)から1060mm(1mのネジ穴?)といった各種設定が選択可能。 また、径を選択すると、規格に沿ったネジ山のピッチも選択可能。でもいくつかあると、どれが標準的なやつなのかよくわからない。 どうせソコまで精密な印刷はできないだろうから、だいたいでいいのかな?

ということで、各種ネジ穴を作成して、印刷してみる。うまくネジがハマればいいのだが。

ネジ穴印刷
調査用のネジ穴を各種開けたstlファイルをFusion360で作成したので、これを出力する。

では、実際にネジを差し込んでみると、まあ予想したとおりというか、きちんとハマらない。 各種サイズを印刷しておいたので、どれが一番近いかを試してみると、+0.5のサイズがちょうどよい。 M3はM3.5、M4だとM4.5がちょうどよい。M5の場合はM5.5だと若干ぶかぶかに。う~ん難しい。

ネジが効くレベルでの穴あけは結構難しいが、M3,M4については、+0.5にしておけば、なんとかなるようだ。 +1にすればネジは十分通るので、貫通穴を考えるなら+1のネジ穴開ければ良さそう(ネジ山切る意味ないけど)
実際にねじ山はうまく印刷はされていないようで、ネジを使って自分んでネジ山切りながら進む感じ。 5mmくらいねじ込むようにしておけば、かなり効きは良さそう。
ネジにはインチネジなんかもあるが、滅多なことがない限りインチネジは使わないので、調査はしない。面倒。
ナット
ネジ穴以外にも、ナットを埋め込む孔を開けることが出来る。 Fusion360での作り方は「スケッチ」「ポリゴン」「外接ポリゴン」とすればよい。

これで、6角形を書くことが出来るのだが、サイズについては自分で調べる必要がある。 以下を参考にしてみる。
外接ポリゴンで書く場合には、上記表の「s」の値の半分の値を設定する。M4ナットの場合は、S値は「7」なので、 Fusion360では3.5を入力して作成する。

と、言った形で調査用の六角穴を各種準備。これで印刷してみて、実際にナットを入れてちょうどいいサイズを探してみよう。

いろいろ誤差が出る前提で穴を用意したが、これに関してはすべて規格通りの値できれいな穴が空いた。 穴あけに関してはきちんと精度がでるようだ。そうなると六角穴は便利かもしれない。ネジ穴は大きめのバカ穴にしておき、 ナットでしっかり留められるような構造がいいかも。

まとめ
ねじ穴、ナット穴作成のまとめ(ねじ穴は有効値を使うとよい)
サイズ | ねじ穴 | ナット穴 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
有効値 (半径) | 本来 (半径) | 入力値 | 外接値 | ||
M3 | 1.465 | 1.265 | 2.75 | 5.5 | ネジ穴は+0.2(半径)くらいすると良さそう。 ナット穴は外接値(s)の半分(半径)を外接ポリゴンで入力 |
M4 | 1.892 | 1.666 | 3.5 | 7.0 | |
M5 | 2.514 | 2.117 | 4.0 | 8.0 | |
M6 | ??? | 2.518 | 5.0 | 10.0 | |
M8 | ??? | 3.39 | 6.5 | 13.0 | |
M10 | ??? | 4.263 | 8.5 | 17.0 |