改善
少し使用してみたスマートロックだが、モーター(サーボ)を使った稼働する部品であるため、動かすと振動が発生しガタが生じる。 今回突起とへこみではめ合わせて作っているが、それが外れやすくなる。ガタガタと動くものに対して、 単純な結合では無理なことが分かった。
ということで、今回各種パーツはねじで結合させるように、設計変更を行う。 結構根本からの修正になるので、大幅な変更となりそうだ。 Fusion360は元の設計図を見ながら、新規に作成し直す。主要箇所の位置関係はそのままに、 台座、本体、蓋部分などをねじで結合できるように直してみよう。
まずは台座と本体。台座の裏側に本体まで貫通する穴をあけて、ねじで結合できるようにする。 取り付け取り外しが何回かある想定で、ねじとナットによる結合とする。 ねじの頭は3mm程度と考え、ねじの頭が埋まる程度の穴を用意。上部の本体側にはナットを用意しよう。

また、今回磁石については100均の強力磁石ではなく、ホームセンターで購入した300円の磁石を使用する。 ヨーク付きで強力なので、しっかり固定されるはずだ。ヨークとは磁石の周りを覆うカバーの鉄で、 これがあると裏側の磁力を表に持ってきてくれるもの。なので、壁への接着を目的とした場合は、2倍近い磁力を発揮してくれるはず。 ホームセンターの、ヨーク付きで真ん中にねじ止め用の穴あき磁石があるので、これを装着できるように変更した。

また、obnizの配置を今回横に置いてみることとした。大きな磁石を配置するので、前回の場所には配置不能となったため、 横に立てておいてみる。さてこれがうまくいくか、心配。

本体側は、台座からくるねじを受け止めるナットを設置。ナット用の穴を用意してここで結合予定。 長いねじがないので、30mmのねじで止めることが出来るようにナットを落とし込む六角穴を用意。うまくナットがハマってくれるかな?

また、本体と上蓋もねじ止めするが、蓋側からねじを止めて、本体側にナットを配置する。 ナットを横から差し込めるようにしておき、上からのねじ止めで蓋が結合できるようにしてみた。 うまく接続出来ればよいが。

ということで、台座と本体と蓋が、ねじとナットでしっかりと結合できるように、設計変更を行い3Dデータ作成完了。 まずはこれで印刷してみよう。大きな変更時には印刷してみて気づく不具合があるものなので、 一発目は確認作業の試作品という気分で進めよう。
印刷出力
まずは本体の出力。いきなり寸法を間違えてて、作り直したのは秘密だ。 サポートを取り除けば、予定通りの本体完成。

ナットを入れる場所は、かなりギリギリ。手で押し込んだぐらいじゃ入らいないサイズ。 もう少し余裕を見たほうがよかったかな?

横からナットを突っ込む個所は、何とかナットが収まりそう。向きを合わせて奥まで押し込めば、上からねじが差し込めるはず。

最初の、ナットが簡単に入らないやつは、後ろ側からねじを差し込んでナットを差し込み、 ねじで強引に引き込んでやる。これである程度なら無理にでも六角穴にナットをねじ込ませることが可能。

二度とはずれることの無いナットが埋め込みできた。

サーボの取り付けも同様。M3のナットなので、かなり小さい。これ以下のサイズになると3Dプリンタでは無理そう。 ナット穴を用意して、そこにナットをいれればOK。3D-CADで設計しているからサイズはどれも同じはずだが、 簡単に入る穴と、きつくて指で押し込んでも入らない穴ができるのはなぜだろう。 0.1mmレベルでスライサーの端数処理で微妙にずれているのだろうか。

少々のきつさ具合は、ねじで無理やり押し込み作戦で、穴にねじ込み可能。きちんとねじで止めてやれば、 サーボの固定完了。4つのねじで留めれば、かなりしっかりとした固定となる。

では、鍵のつまみを回すほうを取り付ける。ベアリングとねじで固定。

サーボ側にもギアを取り付けて、噛み合わせておく。サーボ側もねじでしっかりとギアを固定しておく。

台座出力
次は台座側の組み立て。こちらには、磁石固定箇所を用意してあるので、そこに磁石をはめ込んでみる。

寸法通り出力されており、ぴったりと磁石がハマった。ねじで固定してやれば完璧だ。 値段は安めだけど結構強力な磁石で、玄関の鉄扉にはしっかりくっつきそうだ。

では、台座と結合しよう。

上下部分の結合用に増やしたねじ止め部分を使って、はめ合わせに加えてねじでも固定。 これでかなりしっかりと固定される。やはりねじ止めってすごいな。

「ねじ」って、小さなネジな山なのにものすごく結合が強い。そして場合にもよるけど緩みにくく、かなり強い結合が可能。ねじ自体もよく見ればかなり精巧なつくりなのに、たくさんあるので単価は安く便利。普段何気なく見かけるものも、実はすごいというものはたくさんあるんだろうな。