ブツ撮りスタジオ
ネット散策でブツ撮りのための簡易スタジオキットを見つけた。主にオークション出品物をきれいに撮影するためなどで広まっているようだが、自分はオークション出品はしない。しかし小物撮影で背景をきれいに取れるのはすばらしいと購入。
自分の部屋だと背景に余計なものが写り込むため苦労していたが、これなら安心だ。購入したのはハクバの「デジカメスタジオボックス45」 を購入。約9000円弱と値段は少々お高め。

箱型のはずなのだが、細長いケースに入っていて、中身を取り出すと2つの背景シートと、ボックスになるであろう 折りたたまれた骨組みのついた白いシート。
手前2つが背景用シートで、黒とブルー、白とグレーで4色使えるようになっている。
ハクバ以外にも各種ブツ撮りボックスはあり安かったが、背景に白いシートがあるのはこれだけで、ほかは色つき2色ばっかりだったので、これにした。4色あるといろいろ便利そうな気がする。本格的にやるわけではないから、 後で背景シート追加購入はしないだろうしね。

骨組みを取説に従い展開、というか指定された骨組み箇所を持ちあげると、四角いボックスの出来上がり。 きちんと折り目を残しておかないと次たたむときにたためなくなりそう。
簡単に作れるし、たたむと小さくなるので、これは便利そうだ。

ワクはそのままだとしおれてしまうので、下のコーナー2箇所に補強を入れる。これできちんと自立するようになる。 全体的にかなり簡素なつくりだが、写りこむ場所ではないので問題ない。

最後にお好み色の背景シートを取り付ければ完了。背景シートは片側がベルクロになっており、 ボックスの上段か中段にあるベルクロに取り付ける。縦面を大きく取るか床面を大きくとるかが選択可能ということらしい。 簡単なつくりではあるがナイスなアイデアだ。

ライティング装置(2013/02/09)
きれいに写せるはずと購入したブツ撮りスタジオだが、周りの白いシートがあるために意外に内部は暗い。直接光が入らない仕組みだが、その分外からの強い光がないと中まで明るくならない。明るく写すには、昼間に窓際でスタジオを使う必要がある。
その状態はなかなか無いので、明かりを用意する。これはIKEAで買った電気スタンドに LED電球40W相当をはめ込んだものを照明として撮影してみた。

電球はLEDだが、オレンジ色なので赤みがかった明かりとなる。また、サイドから照らすことになるので、横に影が出てしまう。 そして、なんといっても光量が足りない。
白いカバーは光を分散させてくれる分全体的には暗くなる。 相当明るめのライトが複数必要だ。

カメラ屋に行けばブツ撮り用?のスタンドライトを売っているが結構高価。たまに撮るだけなのに そんなに金はかけられない。こうなったら得意の自作をしよう。

ライト自作
手持ちのLEDには日亜のNSPWR60CSがあった。50mAで20lmと結構明るそうだ。これを使ってライトを作ろう。

ということで回路設計のための基本スペック調査。電源はUSBハブのアダプタが余っており、MAX2Aと高出力なので これを使う。ただしUSB用なので電圧は5Vだ。

ひとまずは150Ωの抵抗を挟んで電圧と電流を測定。点灯させてみると、2.8Vと、15mAだった。

では、電流を定格に近づけるため、抵抗を51オームに変更。これで3倍くらいになるはず。 すると電流は43mAになり、電圧は2.9Vとなった。

電源が5Vのため、LEDの直列は厳しい。51Ωの抵抗で全部並列に並べることにする。では、ユニバーサル基板を用意し、LEDが何個乗るかを検討。裏面には抵抗を乗せるので、そのエリアも考慮が必要。
ある程度隙間を空けつつ3×5列の15個を乗せることにした。43mA1個で直視できない明るさだったので、 15個あるとかなりの明るさが期待できる。
では実際の製作に入る。まずはユニバーサル基板の表面側にカッティングシートの銀色を貼る。 これは反射効率を上げて少しでも明るくするため。また基板丸出しに比べ、見栄えの向上にも役立つ。

少し大きめに準備したカッティングシートにユニバーサル基板を貼り付けてはみ出た部分をカッターでカットすれば完了。

そのあとは、LEDを配置する箇所の穴あけ。カッティングシートはわりと頑丈なので、 LEDを押し付けるだけでは穴はあかないため、あらかじめ足を挿す箇所に穴あけが必要だ。 このあたりはバイクのテールランプ作成でノウハウを得ている。

穴あけが終わったら、LEDをその穴に差し込んでいく。

すべて差し込んだらひっくり返してはんだ付けだ。 LEDは配線の関係で、3列中1列だけは反転させている。よってここだけ極性を逆にしている。 極力ジャンパ線を使わなくていいようにと考えたところこうなった。

LEDが終わったら抵抗をはんだ付けしていく。 抵抗はガイドを使ってきれいに足を折る。そして表面に足が飛び出さない長さにカット。
基板をひっくり返すと設計図とは反対になるので、それを考慮しながら抵抗をつけていく。 はんだこてとはんだ供給で両手がふさがるので、抵抗はセロテープで固定させておいてはんだ付けをする。いつも思うが、もう1本手が欲しい。

設計図では後で考えようとほったらかした最後の配線を残し完了。 どうしても1~2箇所だけはジャンパ線が必要となった。ここだけは被覆ありの線でジャンプさせて完成。

基板部分は完成したので、通電試験。ショートがあると、アダプタ壊れるかなとか、家のブレーカが落ちるかななど、不安に思いながら試験開始。電源は実際に使用予定のACアダプタ。 電流量を測定のためテスタを挟んで通電!
特に火花が出ることなくLEDが点灯してくれた。このときの電流は451mA。1個当たり30mAとなった。 まあ、こんなもんだろう。点灯中にアダプタや、LEDを触ってみるが特に熱を持つ感じはないので、 過負荷になった様子はないようだ。これなら安心して運用できる。
ちなみにこのLEDはかなり明るく直視は不可。 点灯試験もあらかじめ裏返して試験している。

15灯のLEDライトは完成。左右からの光も必要かと思い、小さめのセットをもう2つ作成する。
作成手順は15灯と変わりない。右側が6灯×2のもの。真ん中で切り離して使う予定。

電源部分はACアダプタだが、そこからLEDへの分岐が必要なので、ACアダプタのコネクタ部と分岐ターミナルを作成。とりあえず単純分岐させるようにしたが、今後スイッチをつけたりしたいと思う。

スイッチ付けてみた。スイッチと状態表示のためのLEDを追加。コンセントからの電源が来ていれば黄色が点灯。 スイッチを入れて白色LEDへ通電すると、緑色が点灯するようにした。あとは、基板上に説明用のシールでも貼っておこう。

早速ブツ撮りスタジオへ適用してみる。LEDとシートが明るくなりすぎて、周りがかなり暗く写った。 実際には夕方の室内でそんなに暗くは無い。
左右からの照射も必要かと思ったが、結構周りの白いシートが光を回り込ませてくれるので、上からの照射で問題なさそう。 天板から真ん中と左右で光源を散らして当てるようにしたらいい感じの光具合になった。 そこそこ影が付くがぼんやりといった感じになる。
白色LEDと白いシートということできれいに白く光が当たる。 反射のするメタルな物をとるときは、LED光源が移りこむ可能性があるがそのときはまた考えよう。

早速写真を撮ってみた。いいモデルが無かったので、とりあえずレンズでも。なかなかいいのではないだろうか。別にオークションに出品するわけではないし、写真集を作るわけではないので、 そこそこきれいに写ればいいのだ。

頻繁にブツ撮りするわけではないので、使わないときは小さくしまっておこうと、ケースを探したらいい物を発見。100均のはがきケースが丁度納まった。ブツ撮りケースもしまうと小さくなるので、一緒にコンパクトにしまっておこう。

100均のはがきケースはすこししまい方が悪くフタを押し込んだだけでロックが破損。安物はだめだな。 IKEAで購入したプラスチックケースに内容を移してしまうことにした。こっちなら割と頑丈なので、問題ないだろう。

これで小物のブツ撮りはきれいに写すことができそうだ。