ひさかたぶり
4月半ば、発端はシロちゃんであろうか、林道ツーリング企画が浮上。今年の春は早く、すでにずいぶんと暖かくなっているので、走り出すには最高かもしれない。
早速お誘いのメールに参加の意思表明をする。仕事はぼちぼち忙しいのだが何とかなるだろう。それよりも冬の間動かさなかったLANZAが心配だ。ヤツは俺に似て寒さに対しては、「からっきしだよ三級品」である。
その旨コスに相談すると、バッテリーチャージャーを貸し出してくれた。加えて取り扱い方法からバッテリーの外し方までしっかりと指示してくれた。早速教えに従い、LANZAからバッテリーを外す。
気を付けろといわれたショートも起こすことなく取り外し、チャージャーにつないでじっくり充電を行う。
翌土曜日、明日のツーリングに備えて、早速フル充電されたバッテリーを装着し、セルを回してみるとさっぱり回りゃしねぇ。なんで?
セルでの起動はあきらめて、家の前での押し掛けにチャレンジする。家の前の坂を下りきるまでにエンジンがかかってくれないと、大変なことに…と思っていたが予想通りエンジンはかかってくれずにそのまま手押しで近くのバイク屋まで押していくことに。
エンジンのかからないバイクの重いこと。まったく汗だくじゃぜ。結局バッテリーは新品と交換することになり、1万いくらの出費。なんてこった。
集合
翌日曜日は出発当日。AM5:00頃ハマーから電話が入る。「今日は行けねぇ…」。
ドタキャンの連絡だ。前の晩に電話したときはまだなにも準備していなくて、明日早起きしてする。などと言っていた辺りから怪しいとは思っていたが、まあしゃあないだろう。よくあることだ。
電話でちょうど起こされた俺は、フル装備となるよう、各種ガード類を装着し、かなりのアーマークラスを得る。動きはぎこちないが。(Dexは悪い)
AM6:00にコス家前に集合なので、5:30頃出発。しかし出発に若干手間取りコスの家には10分程度遅れてしまった。到着するとすでにみんなが勢揃いしていた。俺を待ってたみたいね。すまんすまん。
軽く談笑したのち出発。どこかよく知らない道をうろうろ走り抜けながら、調布インターから中央高速を目指す。
しかしこの時点で俺はすごく怖かった。久しぶりのLANZAはなんだか体にしっくりこなくて交差点もろくろく曲がれやしない。油断するとすぐおいて行かれるので、頑張ってアクセルを回すとリアが流れたりと、なんだか踏んだり蹴ったり。びくびくしながらの移動になった。
しかしその原因も程なく判明した。八王子ICで小休止したときに、コスにタイヤの空気圧が少ないと 指摘された。確かにタイヤのチェックをしなかったと思い、空気圧計で計ってもらうと、測定不能!
全然空気がなかった。タイヤの堅さだけで走っていたようだ。なんてこったい。
早速コスの簡易空気入れで空気を入れて行くがなかなか十分な圧まではいらない。 相当空気が抜けていたらしい。苦労しながら前後とも適正値まで空気を充填。バイクに乗ると車高までも大きく変わっていた。そんなプチアクシデントを起こしつつ、勝沼ICまで移動。ここから山を目指す(らしい)
林道突入せよ
高速を降りたら山を目指して下道をひた走る。タイヤは良くなったとはいえまだ乗り慣れない俺は必死でみんなに付いていく。やっぱちょくちょく乗ってないと感覚は鈍っていくのね。
いつのまにか景色は雁坂へ。ここって前来たなぁ。あれはいつじゃっただろうなどと物思いにふけつつ、道の駅に到着。休憩を取る。まだ10時前だ。早え~

俺はここで昼食用にとおみやげ用のほうとうを購入。アルミの鍋付きだからストーブで煮込むだけですぐに出来そうだ。水は持参しているし完璧じゃぜ!
コスも同じものを購入。やつは水は持参していないらしく、ミネラルウォーターも同時購入していた。
コーヒーを飲んでゆっくり休んだ後、出発。しかし今日は天気がよい。しかし空気はほんのり涼しくまさにツーリング日和じゃぜ。
さらにどこかに向かってひた走り10時半に別の道の駅にて休憩。ここで最終食料調達を行う。
どうやらここから本格的に山に入るみたいだ。(何となくそんな雰囲気)

その先には…
よくわからんがいつのまにか小道を走っている。この先はだんだんダートになるのであろう。
いつもルートを知らず付いて行くだけなので、先になにが待ちかまえているのかわからないのだが、それはそれで楽しいものだ。だいたいちゃんと道を調べていても迷うから、付いていくに限る。
だんだん山に入ってきて、小川のそばを走るようになると林道という雰囲気になってきた。と思っているとなんとゲートが閉まっている。ガッデ~ィム!

そのゲートはしっかりと固定されており、脇からすり抜ける隙間もきっちり塞いである。 厳重なロックが施されたゲートを見て皆呆然とする。う~んいい仕事してますなぁ
さすがにバイクを一台一台持ち上げてゲート越えさせるのも大変なので、 あきらめることにする。非常に残念だ。
時間はもう昼なので、行きしなにあった河原に降りて昼食を取ろうということになり、 バイクで河原まで降りる。この辺りの気持ちの切り替えの素早さは、 ケリチキのよいところであろう。
昼食
河原に降りて荷物を携え見晴らしの良いところへ移動する。林ツーの大きな楽しみのひとつである昼食大会だ。場所が確定したら各自作業に取りかかる。俺は、こんな時にしか使わないミニストーブを組み上げ着火する。
そしてほうとう鍋の取り説を読み、作り方を頭でシュミレーションする。うむ、頭の中ではかなりうまい鍋が完成した。あとは実際に事を進めるのみだ。
しかしここで、アクシデントが。なんと狭いリュックに鍋を押し込めていたため、アルミの鍋に穴があいてしまった。水を入れるとそこからじょぼじょぼ漏れやがる。 だめだこりゃ!(♪ズンチャッチャズンチャッチャジャーン♪)
しかしキャンプ用鍋を持参していたので、すぐさまアルミ鍋をあきらめてこちらに具を移し替える。 水量を計ってほうとう鍋の作成再開だ。といってもただ煮込むだけなのだが。
ぐつぐつと焦がさぬように混ぜながら数分煮込むと、ほうとう鍋は完成した。 4月終わりとはいえ山の空気はまだ冷たく、あたたかいほうとう鍋は体が温まりうまい。

はらいっぱい食した後は、ぼんやりとする。至福のひとときだ。夏だとここでブトが寄ってきたりしてうっとうしいのだが、今回はそんなこともなく過ごしやすい。疲れたことだし一眠りしたいところだ。 (まだダートとかろくろく走ってないけど)
ダート突入
さて第一目標であった林道がゲートでふさがれてしまっていたため、別の林道を目指してひた走る。
そのうちまた山道に入っていき、いつのまにか道はダートに変わっている。 気が付けば林道まっただ中であった。
みんな軽快に飛ばして行くが、俺は相変わらずのチキンモードだ。だいぶ走ったので舗装路は普通に走れるのだが、ダートとなると話は別だ。かなりビビリながらおいて行かれないように必死でついていく。

恐ろしかばい、とビビりながら走っていると、対向車がスピードを緩め顔を出してきた。「飛ばしていると危ないぞ」などと注意をくれて去っていった。親切人気取りかよと思って 先を行くとシロちゃんがコケていた。話を聞くとさっきの車のおやじとぶつかりそうになったらしい。
あの車がカーブでイン側につっこんできたため、シロちゃんの走るルートが無くなりこけたらしい。
あのじじいはこかしてしまった罪悪感から、後方の俺たちに注意を促して去っていったのだろう。 まったく、ちゃんと助けてから走り去れよな。
城ちゃんは肩から落下したようだが、骨折などの大きなけがはないようだ。 打撲と捻挫程度ではないだろうか。
早速俺は救急セットを取り出す。マキロンと絆創膏を出して、傷口の消毒を行う。病気やけがの多い俺は、こういった装備は欠かさない。なんにしろ役に立って良かった。 あんまり活躍して欲しいものではないのだが。

バイクの方のダメージは、クラッチレバーがイカレてしまった。予備部品を持つコスはヤマハ野郎で、シロちゃんのバイクはホンダであり、全く合わない。
いろいろと試行錯誤するがどうもだめなので、町に降りて修理することにする。
修復
山を下りて町に出る。山道と違い信号で止まらされる町中はクラッチの切れないシロちゃんには大変そうだ。
すぐさま止まって、近くにバイク屋がないか見てみるが見つからない。自転車屋を発見し、そこに部品がないか訪ねてみるがどうもない。ここで熊ちゃんが、大きな道まで出て部品を仕入れてくるといって出発した。なんだかとっても頼りになる。
熊ちゃんが戻ってくるまで、僕らは休憩を取る。コンビニに行っておやつを購入して いろんな雑談をしながら食べる。なかなか楽しいひとときだ。
そんなこんなで、熊ちゃんがクラッチレバーを購入して帰ってきた。ずいぶん店を探しまくったようだ。 ごくろうさま。修理を終えると時刻はもう5時。そろそろ帰りの時間だ。

帰路
高速に乗って、東京を目指す。途中談合坂SAに立ち寄りおみやげにと俺は信玄餅を購入。 これって黒蜜かけて食うのがうまいのよねぇ。当然俺へのおみやげである。
八王子からは下道に入り、甲州街道で帰る。いつの間にか日も暮れて真っ暗になった中、渋滞する甲州街道をひたすらすり抜けをしながら帰っていく。LANZAはライトがしょぼいから 夜は苦手なのよねぇ。
腹も減った7時過ぎ、途中のファミレスに寄る。さすがにみんなお疲れモードだ。配られるお手拭きでみんな顔を拭くと一様に真っ黒になる。
言葉数も少ないままやってきた飯を黙々と平らげると、ぼんやりまどろみモードへ突入。
家はまだ遠い。もう少し頑張らなきゃね。

おつかれ
相模湖からいつものコースで帰っていく。シロちゃんと別れ、熊ちゃんと別れ、 そしてコス&ジャックと別れていく。
明日からは筋肉痛がやってくるのであろうことを、大きく予感しつつ、GWに突入しているので、ゆっくり休めばいいやと朗らかな気持ちで帰っていった。
後日、筋肉痛は2日ほど続きました。