「錦」ツアー2002(春)

オイル噴出

深夜作業のためバイクで出かけようとすると、なんだかバイクの下にシミが。雨も降ってないのにおかしいなと点検すると、何と!エンジンオイルのキャップが無くなっており、そこからオイルが噴出していた。

ガッデ~ム!なんてこったい。その日の乗車は当然あきらめる。オイルが吹いているということは、前回乗車の時オイルを撒きながら走っていたということだ。自分とまわりに危険をまき散らしていたようだが、特になにもなくてよかった。

翌日バイク屋に電話し、経緯と事情を話すと引き取りに来てくれた。エンジンの様子を見てもらうが問題はなかった。オイルも思ったほど無くなっておらず、500ccほど減っていたということだ(全体の1/5)。

バイク屋に出したついでにタイヤも交換してもらうことにした。タイヤはすでにスリップサインが出まくりで、さらに吹き出したオイルがずいぶん染みこんでいるらしい。換え時指数100オーバーである。

新しく換装してもらうタイヤはもちろん最新モデルのD208。発売開始から狙っていたモデルだ。 春になっての装着を考えていたがちょうどいいタイミングだ。

このスリックに彫刻刀でうねうねっと彫っただけのパターン、惚れ惚れする。ゲッター007ほどではないが、グリップしそうな感じだ。

お誘い

数日後バイク屋から仕上がり完了の連絡が入る。早速バイクを取りに行く。うれしくて熊ちゃんにその旨をメールすると「あした錦行く?」というツーリングへのお誘いメールが帰ってきた。

「錦」とは、かつて苦渋をなめさせられた、リベンジをすべき相手であり、いつかは越えなければならない(錦越え?)のである。突然の誘惑で、心はすでにツーリングモードに突入。会社のインターネットで明日の天気など調べ始めていた。

そして、夕方バイクを取りに行く途中携帯が鳴る。熊ちゃんからだ。「明日どうする?」。当然「行く!」と答え、出発時刻を決める。これで明日の予定は確定した。

バイク屋まで電車で移動して受け取りに行く。駅から遠いので30分も歩かされる。早く到着したい焦る気持ちとは裏腹になかなか足は進んでくれない。思わぬ運動を強いられた後、バイク屋に到着。オイルまみれだったバイクはきれいに洗われて待ちかまえていた。当然足下には新品のタイヤを装着している。

オイル代およびタイヤ代を支払って、バイクを受け取る。新品タイヤはまだ滑るから気をつけてねとお約束の注意を受け帰る。これで明日のツーリングに出発できる。

しかしバイクを受け取ったその足で現地作業に向かう。まだ仕事は残っているのだ。明日に備えて早く終わらせて帰りたいものだ。と思っていたが結局完了したのは23:30。家についたのは0:00をまわっていた。

出発

待ち合わせ予定時刻は10:00に熊ちゃん家だ。目覚ましは9:00に鳴った。まだ少し眠いが起きあがってシャワーを浴び、無理矢理目を覚ます。だらだらと準備を開始し9:30家を出発する。

出発前にバイクのタイヤを確認する。昨日はもう暗くなっていたのでちゃんと確認できていない。おぉタイヤは確かに新しい。そしてD208のパターンが刻まれている。(当たり前か)今日は峠道も通るはずだから、タイヤは縁の方まで使えるはずだ。がんばって寝かすようにしよう。

走り慣れた道を通って熊ちゃん家に行く。ほぼ10:00に到着し熊ちゃんを呼び出す。両マシンともD208を履いている。今日はD208コンビで出発だ。

ガソリンを満タンにし東名高速に乗る。そして厚木まで移動するが、ずいぶんと渋滞している。ずっとこのままだと、「錦」の営業時間に間に合わなくなってしまい、また前回の二の舞になってしまうと、不安を抱きつつすり抜けで前へ前へと進んでいく。

厚木IC近辺まで来ると渋滞はなくなってきた。厚木で東名高速を降り、そのまま小田厚に乗る。時刻は11:00う~ん時間的にどうなんだろう?目的の「錦」は11:00頃から2:00頃までが営業時間のはず。2:00までには到着する必要があるのだ。

すでに時間は11:00。休憩など全くとらずに小田原を目指す。あまり渋滞していない小田厚はとても走りやすく、飛ばしていく。しかし途中パトカーにつかまった車がいた。パトカーも覆面タイプのスカイライン(R33?)。警戒を怠らずひた走る。

そして小田原で降りると今度は箱根ターンパイクに乗る。まったく高速三昧だ。ここも道は混んでいない。久しぶりの峠道はとても楽しい。基本的には高速コーナーであり怖いのだが、だんだん昔の感覚がよみがえってきて、そこそこに走れるようになった。せっかくだからとなるべくバイクを倒して走る。タイヤの縁まで削れてるといいな。

ターンパイクを上っていくと、どんどん寒くなってきた。ちょっと装備が多すぎて暑いと思っていたが、ここでは足りないぐらいだ。上まで上るとかなり寒く、眼鏡は曇るし足は寒いしで大変。十石峠で本日最初の休憩をとる。しかし寒い。

移動

峠茶屋で軽く放尿(どんな表現じゃ)をしたのち、とっとと出発する。普段は十分な休憩(十分すぎる休憩)を取るのだが、今日の目的地は時間制限がある。あまり悠長なことはしていられないのだ。

12:00。今度は伊豆スカに乗る。料金所で天城高原までと行き先を告げて料金を支払う。このシステムってどうなの?という感じだが、まあしょうがない。

伊豆スカをこれまたひたすら走る。標高の高いところはかなり寒かったが、だんだん下るにつれ気温も上がり暖かくなっていった。

これまた高速コーナーの連続する道を駆け抜けていく。全く楽しいったらありゃしねぇ。
ほとんど車の少ない伊豆スカを走り抜け天城高原料金所を降りる。時間は12:30だ。下道の135号が混んでいなければ何とかなりそうな時間だ。希望が見えつつある中、「錦」のある熱川温泉をめざす。

「錦」到着

海岸線の135号を南下していると、ほどなく熱川温泉入り口に到着した。時間はちょうど13:00。時間はちょうど良い。 坂を下っていき「錦」前に到着。

しかしなんだか様子が変だ。ちょうど昼時なのに駐車場は空いているし妙に寂しい。
店の前を通ると閉まっているっぽい。なぜ?!

バイクを降りて店の入り口にいってみると、シャッターが閉まっていた。ジーザス!いったいどうなっている?時刻は13:00。バリバリ営業時間のはずだ。しかし営業時間の表示をみると、横に「木曜定休」の文字が!

今日は3/21日(木)。確かに木曜日だ。しかし祝日(春分の日)。観光地なら休みの日は営業するだろ、まったく。

などと、毒をはいたところで、店が開くはずもなく、ただあきらめるしかなかった。前回営業時間で痛い目に逢い、同じ轍を踏まぬように時間を気にしながら来たというのに、まさか定休日にぶつかるとは思ってみなかった。

どうも俺は「錦」との相性が悪いらしい。まあ次回再チャレンジという新たな目標ができたと思えば、これもまたいいだろう。(ポジティブシンキング)

計画変更

本日メインであった、「錦」が駄目になり、目的を失ってしまったのだが、近くでイチゴ狩りをやっているから、そこに行こうかと提案してくれた。

イチゴ大好物の俺はその提案を快く承諾し、すぐさまイチゴ狩りへ直行となった。熱川温泉を少し戻り、山に入る。10分程度いったところにイチゴ狩りの農園はあった。
あてにしていた「錦」の昼飯がおあずけをくらってしまったので、かなり腹ぺこだ。すぐさま受付を済ませてイチゴの待つハウスへ向かう。

何人かの先客ファミリーがいるハウスに入り、イチゴを物色し始める。少々小振りなイチゴだが、味は甘酸っぱく、おいしい。

よく熟れたイチゴを選りすぐりながら、移動を重ね食していく。そのうち太陽に近い側のイチゴが味が濃いことを発見し、その辺りを重点的に攻める。

無心でむさぼり食っていたが、2パック分食ったぐらいで、腹がふくれた。熊ちゃんの方をみるとまだまだ食いそうだった。俺はうろうろしながらちょいちょいつまんだりして時間を潰した。
そのうち熊ちゃんも腹一杯になったようで、イチゴ狩りを終了した。

海岸線

14:00。イチゴで腹を満たし、伊豆半島東海岸を北上し始める。ある程度車はいるが渋滞ほどではなく、いい感じで流れてくれている。車の列の中ぼんやりしながらついていく。そのうち昨日からの疲れか、眠くなってきた。

気温もそこそこ暖かく、前の車について行くだけの状態は非常に眠くなる。網代付近でとりあえず休憩を入れる。コンビニでジュースを飲み眠気を追い払う。少しの休憩をした後出発する。

ぼちぼち腹のイチゴも消化してきて腹が減ってきたので、途中どこか寄って飯を食うことにする。しかしなかなか良さそうなところが見つからず、どんどん進んでいく。有料道路をさけたので、途中から山道に入っていく。そして山道を下り始めそろそろ元の海岸線にでようかと行った辺りから雨がぽつぽつやってきた。

午前中の快晴からは考えられないが、確かに空はいつの間にか雨雲で覆われている。出発時のあまりの天気の良さから、わざわざカッパを置いて出てきたというのに、まさか降るとは思わなかった。

まだ降り始めでそんなに強く降ってはいないので、カウルに隠れつつ突き進む。 そんなとき、一軒の食事処を発見。雨宿りがてら食事を取りに入る。

雨宿り

カウルで防がれていた雨も立ち止まると結構降っていることがわかった。すぐさま店内に避難する。メニューに目をやると、場所柄海鮮づくしだ。そして価格も観光地価格となっているのは、いたしかたないか。

とりあえず、バラエティに富んでいるセットメニューを頼む。本来なら「錦」で食事をしたはずなのだが、まあ今更悔やんでも仕方がなかろう。

まもなくやってきた食事は、品数も多くなかなか豪勢だった。 あじのたたき、お刺身、エビの焼いたの、サザエなど少々高いかと思われた値段にも十分見合う内容だ。早速食べはじめると、熊ちゃんはサザエに苦戦している。ふたがうまくとれないらしい。

海育ちの俺はサザエなどしょっちゅう食っていたので、代わりにとってあげる。こんなものは手慣れたものである。

朝からイチゴしか食べておらず、すでに消化しきっていた俺は貪るようにとっとと平らげた。 熊ちゃんも速攻で平らげたところをみると、腹減っていたのであろう。腹もふくれ、満足顔の二人であったが、外はまだ結構な雨が降っている。どうも止みそうな気配はない。

困ったなと、とりあえず待機して様子を見る。というか、腹一杯で気持ちよく、まどろんでるだけだが。とはいえ、あんまりぼやぼやしていても日が暮れるだけなので、適当なところで店を出る。とりあえず隣にある干物屋に行ってみる。あんまり買っても食えないので、とりあえずイカの干物を一枚購入。 帰って焼いて食ってみよう

帰り

雨は止みそうもないので、あきらめて出発する。雨装備が一切無いが、大降りでもないから何とかしのげそうだ。小田原まで行ったところで小田厚に乗り、厚木に出る。そのまま東名に接続し、一気に東京方面に直行する。

小田厚はそんなに混んでいなかったが、東名はさすがに渋滞している。しかしいつの間にか雨は止んでいた。というか、どうもこっちの方は降った形跡がない。どうも雨だったのは熱海方面だけのようだ。

雨もなく視界も良好なので、すり抜けも無難にこなすことができ、渋滞する東名をひた走る。
そして日が暮れた頃、青葉インターにて熊ちゃんと別れる。ばいばい

俺は川崎インターまで行き、東名を降りる。そして、家に帰り着くとさすがに疲れていた。
今回は主目的であった「錦」がまたもや駄目であったが、ターンパイク、伊豆スカのワインディングは久しぶりでとても楽しかった。また行こうとおもう。

初回で「営業時間」、そして今回で「定休日」の罠を習得した俺は次回なにを習得するのだろう?それはぜひ「錦」のうまさで有ってほしいと願うばかりだ。次回のリベンジはいつだろう…