1999初日の出

1999初日の出in三浦海岸

1999年1月1日元旦AM4:00。正月にこの時間に起きているのは何年振りだろう。寒い..。初日の出鑑賞ツーリングの企画が持ち上がって数週間、寒さ対策は万全だ。これから一緒に走りに行くヨシとは初めてのツーリングだ。噂には目茶苦茶速いと聞いている。付いて行けるか心配だ。私は目的地を知らない。置いて行かれない様、ガンバろう。

ヨシから到着の連絡が入る。気合を入れてイザ出陣!!静まり返った道路にバイクを押して行く。やっぱり寒い。

ん?この寒空に一般人が..彼も電車で初日の出でも見に行くのか?あれ?こっちを見ている...。あれ!?ヨシだ..。防寒はしっかりした方が良いと言っていた彼だが防寒の装備といったらマフラーだけの装いで立ってるではないかっ!!ただならぬものを感じた。すごいぜ、彼はっ!

熊 「寒くない?」
ヨシ「寒い!」
彼も人間だった様だ。少しほっとする。

246までは私が先導する。ペースが読めない。遅い!といらついてはいないか?でも246までだ!頑張るぞっと。安全運転で走る。

さあ246だ。ヨシに先に行ってもらう。あれ?思ったより飛ばさないぞー。どうしたんだろう...そうか!あの防寒ではあれが限界なんだ。ラッキー!!

宇宙服状態の防寒でもこの寒さだ、今のスピードでも常人では耐えられないだろう。彼の根性に心から敬意をはらった。

横横のパーキングにようやく到着。鼻が洪水状態だ。自動販売機コーナーで暖をとる。ん?地図があるな。ここで目的地の確認をとる。ICからすぐだ余裕で着くな。あれ?この位置だと房総半島から太陽は上がるのか。水平線からじゃないんだ。

ヨシ「去年来た時は海から出ていたよ。」
熊「へー、そうなんだ。思ったより千葉は遠いんだね。」

この時は疑いも無く納得した。眠気と寒さで思考回路が働いていなかったのだろう。自動販売機コーナーで時間調整をして目的地めざして出発!!あ!っという間に目的地に到着。日の出までまだ時間はあるな。空が明るい方を見る。陸が見える..どこだ?あそこは。観音崎?いや違うな..房総..だ、な。

熊「去年もここで見たの?」
ヨシ「うん。同じところ。」
熊「千葉から上がるんだね。」
ヨシ「いや、あのあたりから出た。」南の海を指差す。
熊「向こうは南だよ。本当にここ?」
ヨシ「夢でも見てたんかなぁー。」

ジェットスキー海からの日の出は房総の向こうか伊豆くらいじゃないと無理かな?でも遠いからいいやと納得する。おっと!太陽が顔出す寸前だぜ。そこへ突然爆音が響きわる。ジェットスキーの集団が一斉にスタート。彼らは「どんなもんだい!」とキメてるつもりだろうが実際は寒いだろうに、と哀れみのまなざしが大半を占めていたに違いない。

ふっと気づくと周りは人であふれていた。
ヨシ「去年はこんなにいなかった。」
不況で旅行に出かけない人が多かったのだろう。

日の出6:50頃、御来光が見えた。空気がきれいだったのか見事な御来光だ。しかし太陽は千葉から昇っていた。ヨシは未だに納得していない様子だ。(人生そう言う事もあるさ、自然には勝てん。)

さあ、御来光も見れたことだし帰るか。おもむろにヨシが携帯を取り出す。会社の同僚に掛けているらしい。去年も掛けたそうだ。今は朝の7時すぎ..電話相手に合掌。

日が昇るとあっというまに明るくなった。帰路をひた走る、太陽がまぶしい。快晴だ。このまま遠出をしたい気持ちもあったが家には雑煮が待っている、と思ったら素直に帰路についていた。

よしヨシとは246で別れた。その後の彼の消息はつかめていない。ランツァで山ごもりか?ガンバレ!

追記:来年は水平線から上がる日の出が観たいものだ。